猫と仲良くなりたいなら冬がチャンス 「猫の心理学」専門家に聞く

 ペットの猫ともっと仲良くなりたい、ベタベタしたいと思いませんか。猫の祖先はリビアの砂漠地帯出身なので、どちらかというと暑いのは得意なのですが、冬は苦手。その性質を利用して、冬に猫との親密度を高めることができるそうです。京都大学で猫の心理学について研究されている高木佐保先生に、お話を伺いました。

  ◇  ◇

 -冬は、猫と仲良くなれるチャンスなのですか

 「冬は寒いので、人も猫も近くにいると温かく、物理的に距離を縮めることができます。我が家の猫は、夏は抱っこすると嫌がりますが、冬は一緒に布団で寝てくれます。ただ単に布団の中に温まりにくるだけではなく、ゴロゴロ言いながら二の腕や布団の柔らかいところでフミフミするんですよ」

 -フミフミで親密度が高まるのでしょうか

 「フミフミは、子猫がお母さん猫のお乳の出を良くするためにする行為なのですが、フミフミをすることで、リラックスモードの生理反応が生じることが分かっています。その時、そばに飼い主がいると、この人といると『心地いい』と学習し、『この人が好き』という思いに変わっていく可能性があるのです」

 -布団の中でフミフミ以外にも何かしますか

 「スリスリもしてきますね。体を擦り付けてきて、自分の匂いをこすりつけます。スリスリした時に相手の匂いも自分につけるのですが、互いに匂いを付け合うことで、自分の所有物だと主張するんです。人にもスリスリしますが、猫同士スリスリすることもあります。親和行動といって、仲間意識を高めることができるようですね」

 -猫が快適に寒い冬を過ごすために、何をしてあげたらいいでしょうか。

 「外で暮らしている猫を見ると分かるのですが、夏に比べて毛の密度が濃くなり、毛量も増えてふんわり、モフモフしてきます。家の中で飼っている場合は、室内にたくさん暖を取れる場所を設置してあげるといいでしょう。ホットカーペットは、留守中も比較的安全ですし、底冷えする床を暖められるので、猫にぴったり。我が家の猫の場合、ホットカーペットの上にふんわりしたクッションを置いてあげると、その間に温かい空気の層ができるので、気持ちよさそうに入っていきます。丸いクッションなので、マカロンの具のようになっていて、その姿をみるだけでも顔がほころびます。火事や低温火傷が気になる場合は、ふんわりした温かい素材の毛布を畳んで置いてあげるだけでも、保温効果があり暖かく、心地いいと思いますよ」

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 猫は、さまざまな経験を積むことでどんどん学習をしていく動物。なので「楽しい」「気持ちいい」「嬉しい」と感じる体験をたくさんさせてあげると、その人のことを好きになるそうです。猫とぴったりくっついていられる冬、猫と心の距離をぐーっと縮めてみませんか。(神戸新聞特約記者・渡辺陽)

◆高木佐保(たかぎ・さほ)2018年京都大学文学研究科 博士課程修了。専門分野は比較認知科学。学術振興会特別研究員、2018年より京都大学 非常勤講師、同志社大学 非常勤講師。著書「マンガでわかるねこの心理学」監修(共著)

◆渡辺陽(わたなべ・あきら)大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。フェースブック(https://www.facebook.com/writer.youwatanabe)

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