太陽の塔の「中」を知ってますか?48年ぶりに公開、岡本太郎の世界観とは

 圧倒的なオーラと顔の奇妙な表情が印象深い「太陽の塔」。あなたは、その「中」を見たことがあるだろうか?実は今、塔の内部が48年ぶりに公開されており、大きな話題を呼んでいる。

 塔が誕生したのは、大阪・吹田市で日本万国博覧会(大阪万博)が開催された1970年。「人類の進歩と調和」を色濃く表現したテーマ館の一部として作られた。前衛的なデザインとフォルムが印象的なインパクト抜群の観光スポットも、その内部は原則非公開だった。しかし、今年3月から内部公開が始まったことで人気が再燃。予約(太陽の塔オフィシャルサイトから可能)が殺到し、公開スタートから8カ月が経過した今も、訪問客が絶えることはない。

 デザインを手がけたのは、言わずと知れた芸術家・岡本太郎だ。生前には「EXPO’70のテーマプロデューサーを引き受けたとき、私はその中核に人間であることの誇り、生きていることの歓びを爆発させたいと思った」と話している。内部公開で目にできるのは、そんな彼が残した名言「芸術は爆発だ」が凝縮されたような異空間。斬新で奇抜な岡本太郎ワールドを心ゆくまで堪能できる。

 実は「太陽の塔」には4つの顔が存在している。現在を表しているのが、最も知られた正面の「太陽の顔」。その他は、未来を表す頂部の「黄金の顔」と過去を表す背面の「黒い太陽」、そして過去の「根源の世界」を表した地下展示のうちの一つである「地底の太陽」だ。ところが「地底の太陽」は大阪万博閉幕後に行方不明に。現在は、復元されたものが設置されている。

 内部公開最大の見どころは「生命の樹」だろう。高さおよそ41メートル。カラフルな枝と、周りを取り囲む33種183体もの生物模型の数々に圧倒される。岡本太郎はこの樹について「太陽の塔の血流だ」と話したという。

 順路は、この「生命の樹」の周りを囲むように上に登りながら進む。下は原生類、徐々に爬虫(はちゅう)類や哺乳類の生物模型が姿を見せ、最後に人類へと姿を変えていく。上に進むにつれて生物は進化を遂げており、見る人がこれを体感できるようになっている。

 48年ぶりとなった公開の狙いは、大阪万博のレガシー継承だ。そのために耐震工事、生命の樹に取り付けられた生物模型の再生事業が行われてきた。単なる「修復」もしくは「再現」ではなく、あえて「再生」としているのは、当時のメッセージ性はそのままに、LEDなど、当時にはできなかった技術を用いることで、よりみずみずしく生命の躍動を表現しているからだ。

 今回の内部公開が好評を博している最中、2025年の大阪万博開催が決定した。さらなる大阪の盛り上がりが今から待ち遠しい。(おふぃす・ともともライター 桑田萌)

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