「トランプタワー」元住人のセレブが大阪に…アケミ・S・ミラーさんの激動半生

「美と心のリセットアップ」を提案するアケミ・S・ミラーさん
“花のドレス”を披露するアケミ・S・ミラーさん
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 ニューヨークコレクションのファッションデザイナーとして名声を博し、あのトランプタワーに住んでいたことでも知られるアケミ・S・ミラーさんが現在、大阪でフェイスデザインスクールを主宰している。この14日には新スタジオをオープンし、ますますパワーアップ。人生100年時代へ向け、美と心のリセットアップを提案していく。

  ◇  ◇

 半生を振り返ってもらうと、ひとつの大作ができそうだ。それほどドラマチックというか、スケールがデカい。23歳で東京に出て会社を設立。実家が着物業界という幼少のころからの下地もあり、5つの京都着物ブランドのライセンスを契約した。東京コレクションで和のテイストを残した洋服を発表したところ、国内の著名な写真家や評論家はもちろんCNNなど海外メディアにも絶賛された。

 「よっし、これなら勝負できる。とにかく行っちゃえ」

 上京から10年たった1989年、華やかな東京生活を捨て、何のツテもないニューヨークへ。翌90年にニューヨークコレクションにデビューする。93年からスタートしたニューヨークファッション・ウイークでは、栄えある初日にダナ・キャラン、カルバン・クラインとともに選出。世界のトップデザイナーの中から24人だけが選ばれる栄誉だった。

 「コレクションは年2回、半年がかりで作品を制作していきます。年間ブティックの維持費などを入れると3ミリオン(ドル)もかかるんですよ」

 国連からの正式指名を受け、日本人デザイナーとして初めて本会議場で「愛と平和、そしてビューティー」というテーマでファッションショーを開催。平和のシンボルとして制作した3億円の真珠のドレスも話題になった。また巨大なクリスマスツリーで有名なロックフェラーセンター前で、花の女神をイメージした48体の色違いのドレスはショーの後、45日間展示され、300万人が来場した。

 やがて敏腕弁護士のロイ・P・ミラーさんとセレブ婚。住まいもグレードアップし「自由の女神」を間近で眺められるマンションでは、往年の名野球選手、ジョー・ディマジオ氏がいた。その後はアメリカンドリームの象徴ともいえるトランプタワーの住人に。当時の“隣人”はジャネット・ジャクソン、リサ・ブライトマン。上階にはスティーブン・スピルバーグやビル・ゲイツ、マイケル・ジャクソン、ソフィア・ローレンらがいた。

 しかし、幸せの日は長くは続かない。最愛の夫が難病の肺高血圧症にかかり、闘病の末、帰らぬ人に。これを機に25年住んだニューヨークを離れ、2013年に帰国。喪失感にさいなまれ、むなしい日々を過ごしていたが、タイのホテルオークラからウエディングショーの依頼を受けたことから少しずつ立ち直り、2015年に大阪で「AKEMI S. MILLER BEAUTY STUDIO」を設立した。

 ニューヨークではファッションだけではなく、5番街でトータルビューティーサロンを主宰。いま、その技術、知識、感性を日本の女性に提供している。本場仕込みの美容術を体験したある女性は「鏡に映った自分を見て涙が出た」と目を輝かせた。

 この14日には新スタジオをオープンさせ、スキンケア商品も開発・プロデュース。来年は1月大阪撮影会、3月東京、4月ハワイ、5月大阪でフェイスデザインセミナーを開き“アケミ流”を広めていく。

 「人生100年の時代に入りました。生き方も美容もどこかでリセットアップが必要。日本の女性にもっと世界レベルで美しくなってもらいたいんです」

 リセットアップは一念発起した自身の経験も踏まえたもの。ともあれ、女性が美しくなれば男性陣もうれしい。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)

 ◇「AKEMI S. MILLER BEAUTY STUDIO」電話06(6949)9194

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