ゴルゴ13は83歳!?生みの親・さいとうたかを氏「もう“ほっかむり”」

開会式で挨拶するさいとう・たかを氏=川崎市民ミュージアム
開会式でテープカットするさいとう・たかを氏(左から2人目)=川崎市民ミュージアム
2枚

 今年で連載50周年を迎えた漫画「ゴルゴ13」の原画や作中に登場する銃のモデルガンなどを展示した展覧会「さいとう・たかを ゴルゴ13 用件を聞こうか……」が22日から神奈川県の川崎市市民ミュージアムで開催される。その前日に行われた開会式後、作者である漫画家のさいとう・たかを氏(81)に話を聞いた。

 同作は1968年11月に「ビックコミック」(小学館)で連載開始。1度の休載もなく、半世紀を迎えた今年も連載中だ。総発行部数は2億部を突破している。

 今年11月3日で82歳。さいとう氏は過酷な日々を振り返る。「体調管理?めちゃくちゃでしたよ。最高で60時間(続けて働いた)。4時間寝かせてもらって、やっと原稿渡して、そのあと48時間。そんな生活でしたよ。私と同世代の人はみんな逝(い)ってしまいました」。それでも、健康で振り続ける秘訣はと問われると、同氏は「寝てます。とにかくちょっとでも時間あったら寝る」とシンプルに答えた。

 ところで、ゴルゴ13は何歳なのか。連載開始当時は32歳。単純計算すれば80代の高齢者である。さいとう氏は「ゴルゴは私より1つ上という設定です。だから、彼は今年で83歳になってないといけない。でも、もう年齢は完全に“ほっかむり”(放置)ですね」と笑った。

 「子供のころから、私ははぐれ者で、世の常識に付いていけなかった。ゴルゴは蟻1匹の命も人間1人の命も比重は同じなんですよ。非常識な人間です。自分の中にある観念で生きている。そんなん生きていけませんよ、普通の社会では。本来なら私みたいな人間も、まともに人間社会で生きていけないが、なんとか生きてこれた」。自らを生かしてくれた創作活動に、自身とその分身であるゴルゴ13を重ねた。

 「50年、よくぞ読んでいただきました、とお礼を言わないといけません」。連載は続く。「生きている間、描ける間は続けていきたい」。さいとう氏は、生涯現役を貫く。

 同展は11月30日まで。初公開となる原画60点、門外不出だったという、さいとうプロダクション内の“武器庫”に保管されていたモデルガン、ゴルゴ13愛用「アーマライトM16」の体感コーナー、さいとう氏の仕事場再現コーナーと盛りだくさんだ。(デイリースポーツ・北村泰介)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス