鈴木彩艶 4年後に向けて「顔上げて進む」 神セーブ連発も終了間際に失点「ああいうの取れるキーパーに」

 「北中米W杯・1回戦、日本代表1-2ブラジル代表」(29日、ヒューストン)

 左手を目いっぱい伸ばしたGK鈴木彩艶(23)=パルマ=の指が、わずかにボールに触れる。ポストに当たる軌道が目に入り「(ゴールラインの)内側に来い」と願ったが、無情にもラインを割った。試合終了間際の絶望的な失点。守護神は両手を上げ、悔しさをあらわにした。

 「本当に手がもう0コンマ何秒早く出ていれば…。ああいうのを取れるキーパーにならないといけない」

 何度も日本を救った。1-0の後半9分には冨安の顔面セーブに真っ先に反応し、ボールをかき出した。追いつかれた直後にはビニシウスの至近距離のシュートに驚異的な反応速度で左手を出して、決定機を阻止。4年前はJ1浦和の控えGKだった男が、誰もが認める絶対的守護神としてゴールを守り続けた。

 正GKに抜てきされた24年アジア杯では全試合で失点。誹謗(ひぼう)中傷を浴びた。浦和ジュニアユースの恩師・杉尾一憲GKコーチが「大丈夫か」と電話をすると、鈴木彩から「いや、もう幸せな時間でした」と前向きな言葉が返ってきたという。「アジア杯を越えて、W杯のためにチームを救いたいという思いでやってきた」(鈴木彩)。失敗を修正し、成長の糧としてきた。

 試合後のロッカールーム。森保監督から「上を目指すには世界的なキーパーが必要」と期待された鈴木彩の視線も4年後に向いている。「自分のプレーしているレベルを上げなければいけない」とステップアップに意欲。「世界的なキーパーになって、代表に貢献したい気持ちが強くなった。4年間、顔を上げて進んでいきたい」と頼もしく語った。

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