サッカーのW杯北中米大会が間もなく開幕する。8大会連続8回目の出場となる日本代表は、1次リーグF組初戦でオランダ(日本時間15日)、2戦目にチュニジア(同21日)、3戦目にスウェーデン(同26日)と顔を合わせる。優勝を目標に掲げる森保ジャパンは、1次リーグでどのような戦いを展開するのか。2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が展望する。
オランダはファンダイクら、一人一人の守備の質がかなり高い。攻撃陣にもデパイやハクポら超一流の選手がいる。日本は攻守において、質の高いプレーを出していかないと厳しくなる。
守備はオランダの強みでもある。組織をつぶす、壊すことは非常に大変だが、穴を探し続け、チャレンジしていくことが大前提。何度もできないから、ここぞというときの力をチームとして出すことが必要だ。
日本の守備は突破される可能性があるから、カバーリングを意識しておかなくてはならない。次の一手ではなく、二手先、三手先を含め、守備の立ち位置の変化、予測が大事になってくる。
重要な初戦だけに、日本は勝ちにいきたいが、負けることは許されない。引き分けでいいとは思うが、負けている展開ならリスクを負って攻めるべきだし、勝っていれば普通に戦うのか、それとも守備的にいくのか。バランス良く戦わないと、完全に押し切られてしまう可能性もある。
今の日本の力なら勝ち点3を取る戦いもでき得るが、初戦はリスクを負ってでも勝ちにいくやり方はしないだろう。ベストメンバーで普通に戦いつつ、状況に応じてプレーしていくと思う。いくしかないとなれば勝ち点3を取りにいくだろうし、例えば2点を取れたら、守備にいってもいいかもしれない。
チュニジアは、基本的には守備の組織化という点でディフェンスは強い。ただ、ラムシ監督の戦術は攻撃的なので、攻撃面でもテコ入れはしていると思う。守備が強い中でも、攻撃への意識は高まってきていると思う。
前回大会のコスタリカ戦のように、日本は攻めあぐねてやられる可能性もなくはない。相手のひと刺しが有ることへのリスク管理もしなくてはならない。勝たなくてはいけない試合というときこそ、非常に難しい戦いになる。
というのも、攻撃陣は点を取らなくてはならないと思ってリスクを負う。守備陣は点を取られてはならないと考えてリスクを避ける。プレーがアンバランスになったときに、突かれてしまう。
スウェーデンはヨケレスやイサクら攻撃に強力な選手がいる。ただ、イサクはそれほど調子は良くないようで、ヨケレスの方が怖い。全体的に身長が高いし、強みを生かされると苦しくなる。
主導権は握れるかもしれないし、総合的に日本はやれると思っている。ただ、サッカーは怖い。日本は前回大会でドイツやスペインに勝ち、昨年から今年にかけての国際親善試合ではブラジルやイングランドを倒したが、相手は対策をしてくる。うまくはまらないようにしないといけない。
オランダ戦のキーを握るのは上田だ。気質という点で、チームにオランダのことを知っている選手がいることは重要。ただ、オランダリーグでプレーしていることが有利だとか、不利に働くということはない。相手はプレーの特徴を分かっているし、対策を練られる。
1次リーグの理想としては勝ち→勝ち→引き分けの2勝1分けでいきたい。決勝トーナメントを見据えて、スウェーデン戦で緩めたい。ベスト8に行くためには、決勝トーナメントで2試合を戦わなくてはいけない。必死に1次リーグを突破しているようでは、その後がきつい。W杯ではメンタルがいつも以上に削られる。もちろんメンバーを替えながらにはなるが、余裕で戦える状況がほしい。
2位で突破した場合、決勝トーナメント1回戦の相手はC組1位で、ブラジルになる可能性がある。昨年、国際親善試合では勝ったが、W杯となると全然違う。ブラジルはあのときとメンバーが異なるし、メンタルも違う。ブラジル戦は避けたい。
開幕までに心がけなくてはならないことは、体やメンタルなどのコンディションを整えること。モンテレイで合宿し、グラウンドが変わったりなど想定外のことはあったが、覚悟の上。森保監督はそういうことへの準備もしっかりしていた。日本代表への期待は大きい。(2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表=デイリスポーツ評論家)