【記者の目】西野ジャパン経験重視の裏側で…定まらない屋台骨

 日本サッカー協会は18日、W杯ロシア大会前で国内の最終戦となる30日の親善試合・ガーナ戦に臨む日本代表メンバー27人を発表した。4月に就任した西野朗監督(63)は、4年前のW杯ブラジル大会メンバーでもあるMF青山敏弘(32)=広島=を2015年3月の親善試合・ウズベキスタン戦以来、3年2カ月ぶりに招集。またMF本田圭佑(31)=パチューカ、香川真司(29)=ドルトムント、FW岡崎慎司(32)=レスター=の“ビッグ3”もメンバー入りしたが、指揮官は「あくまでガーナ戦に向けてのメンバー」と強調した。W杯メンバー23人はガーナ戦翌日の31日に発表される。

  ◇  ◇

 27人の選考から垣間見えたのは西野監督の苦悩だ。「このタイミングでのチーム作りを考えれば、できるだけ早くメンバーを固定してチームづくりに入りたい」。隠すことのない言葉が表すように、完成形はまだ指揮官自身も描けていない。

 さらに23人からなる最終登録メンバーに関しても「基本的にはこの27人の中から」という方針を示しつつも、合宿中の状態次第では追加招集も示唆。ガーナ戦を含む代表活動期間は、各国協会側に選手の拘束権が発生しない。そのため、35人の予備登録に入っていながらクラブでの公式戦を考慮して招集外となったFW久保(ヘント)が31日にメンバー入りする可能性もある。

 また、頭を悩ませているのが選手のコンディション。西野監督はFW岡崎、MF本田、香川の“ビッグ3”について、それぞれ「代えが利かない」と評価する一方で、岡崎と香川は負傷の回復状況を、4月にシーズンを終えた本田はその試合勘を不安視している。

 「リストを考えても刻々と選手の状況・状態は変わっている」と話した指揮官。オシム元代表監督が日本サッカー界に広めた「ポリバレント」という言葉を出し、経験豊富で複数のポジションをこなせる選手が中心となった裏側には、屋台骨を定められていない事情が見える。(サッカー担当・松落大樹)

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