日本代表 南米2連戦引っ張るベテランコンビ 主将不在の緊急事態も長友「背中で見せる」谷口「競争は大歓迎」
サッカー日本代表は6日、国際親善試合のパラグアイ戦(10日・パナソニックスタジアム吹田)とブラジル戦(14日・味の素スタジアム)に向け、千葉市内で調整した。DF長友佑都(39)=FC東京=ら国内組5人がピッチで軽めの練習。左足アキレス腱(けん)断裂による長期離脱から約1年ぶりの代表復帰となったDF谷口彰悟(34)=シントトロイデン=を含めた一部の海外組らが室内で汗を流した。この日、主将のMF遠藤航(32)=リバプール=がケガのため不参加となることが発表。リーダー不在の緊急事態にも、谷口、長友ら年長組が大事な南米2連戦でチームを引っ張る決意を語った。
連日のように飛び込んでくるケガ人のニュース。来年6月開幕のW杯に向けた腕試しとなる南米2連戦を前に暗雲が漂う中、約1年ぶりに頼れる男が帰ってきた。
「ここ(代表)にまた戻ってこられて素直にうれしい。ケガ人が多い状況だが、いるメンバーでしっかり戦わないといけない。リーダーシップを取りながらピッチ内外で存在感を出していけたら」
少しひげを蓄えたベテラン・谷口の言葉に実感がこもる。W杯最終予選では離脱前の4試合にスタメン出場。6月にはモデルの泉里香(36)との結婚を発表した。長期離脱からの復帰に、家族の支えも大きかっただろう。報道陣に「ご結婚おめでとうございます」と祝福されると「ありがとうございます」と爽やかに笑顔で返す一幕もあった。
遠藤に加え、DF陣のリーダー的存在の板倉も不参加が決定。W杯最終予選を戦ってきた守備のコアメンバーがほとんどいない“野戦病院”の様相を呈している。だが、逆転でのW杯メンバー入りを狙う選手にとっては絶好のチャンス。生き残りを懸けたサバイバルが始まり、谷口は「日本代表が強くなるために競争は大歓迎」と、チームを俯瞰(ふかん)する。
谷口だけじゃない。5大会連続のW杯出場を目指す39歳の長友もメラメラ感全開だ。「自分がリーダーだと思って常にやっている。口で何を言っても、背中で見せないと話にならない」。3年前の親善試合・ブラジル戦は、世界的FWである“ビニシウス封じ”に自信がなかったというが、今回は「前回以上にやれると思っている」と自信を口にした。
ある意味、本番に向けた予行演習にもなる。「W杯をベストメンバーで戦えるかといったらそうでないだろうし。もっと欠けるかもしれない」と長友。センターバック不足により4バックで臨むことになれば、サイドバックが本職の長友にも白羽の矢が立つ。「自分が必要なときが絶対来る」。頼もしく熱い年長者たちとともに、この逆境を超えてみせる。





