神戸・佐々木大樹 勝利に導く13番になる「試合決定付けられるように」3連覇へ“エース”の覚悟
いざ、リーグ3連覇へ-。明治安田Jリーグは14日に開幕し、昨季J1で2連覇を果たした神戸は15日に、ホームのノエビアスタジアム神戸で浦和を迎え撃つ。8日には国立競技場で行われる富士フイルム・スーパー杯で、広島と今年初の公式戦が控える。国内全タイトル制覇やアジアNo.1クラブを目指す2025年シーズンで、攻撃陣の要となる若き2人を取り上げる。加入2年目のFW宮代大聖(24)は昨年超えの成長と成績に燃え、MF佐々木大樹(25)は覚悟を胸に、今季から神戸のエースナンバー13を背負う。
『13番』を語る佐々木の顔つきは、普段の温和な表情とは違って引き締まっていた。「よりヴィッセルの中心選手として自覚が芽生える-」。そこには並々ならぬ思いと決意があった。
“ミスター神戸”永島昭浩を初代に、元日本代表の播戸竜二、大久保嘉人と過去6人のそうそうたる面々が継承してきた神戸のエースナンバーだ。前代の小川慶治朗が21年に横浜FCへ移籍したのを最後に4年間空位だった。佐々木は今季自ら志願して、22番から変更。責任の重い世界に飛び込んだ。
ユース時代からの憧れの象徴である一方、恐れ多かった番号でもある。神戸のU-18アカデミーに在籍していた高校時代も、17年の1年間だけ同番号を背負った。だが、18年のトップチーム昇格直後は「ほど遠くて、考えることもしなかった」と目指していなかった。
その後も「自分の中で実績を積めたと感じられるようになったら」と思い続けていたが、直近2シーズンで確かな実績が伴ってきた。昨季はエース大迫の不在時にセンターFW起用も増え、存在感を発揮。リーグ戦と天皇杯の2冠に貢献した。
追い求めるエース像はここぞの場面で神戸を勝利に導く13番。「今までの人の色はあったと思うけど、試合を決定付けられる13番になれたら」。エースの系譜に強い印象を刻むシーズンが始まる。
◇佐々木大樹(ささき・だいじゅ)1999年9月17日、島根県浜田市出身。2018年に神戸ユースからトップチームに昇格し、4月4日のルヴァン杯・湘南戦で初先発初得点を飾る。11日の浦和戦でリーグデビューを果たした。同年8月から期限付き移籍でブラジル・パルメイラスに加入し、19年8月に神戸復帰。23年はリーグ戦33試合の出場で7得点を記録し、優秀選手賞を受賞した。180センチ、77キロ。