藤尾翔太 五輪最終予選へ弾みの一撃 黒田監督「この1年で大きく成長」町田首位ガッチリキープ

 「明治安田J1、川崎0-1町田」(7日、Uvanceとどろきスタジアム)

 首位の町田はFW藤尾翔太(22)の得点で川崎に1-0で勝って連敗を免れ、勝ち点16とした。昨季2位の横浜Mは2-1で昨季王者の神戸に競り勝って勝ち点10とした。神戸は同11のまま。2位の広島は湘南を2-0で退けて今季初の2連勝とし、無敗をキープして勝ち点を15に伸ばした。FW大橋祐紀(27)がPKを含む2ゴールを決めた。C大阪は新潟を1-0で下し、同15で得失点差の3位。FC東京は鹿島を2-0で破った。

 逆境をはね返し、町田が首位を堅持だ。3日の広島戦でJ1昇格後初の黒星を喫したが、黒田監督は「前線からの規制、バイタルエリアまでボールを運ばせない徹底した守備、また守から攻へのトランジションの差を見せてくれた」と評す戦いぶりで川崎を圧倒した。

 開始から相手ゴールに襲いかかり、前半32分には左からのクロスを「良いボールが来たら決められると思っていた」とFW藤尾がたたき込んで先制。U-23日本代表に選ばれ、パリ五輪最終予選前の最後の試合で見事に結果を残して見せた。

 後半は川崎が猛攻を仕掛ける展開も、後半5分には再び藤尾がゴール前の混戦から頭で押し込む。VAR介入でオフサイドの判定も簡単に試合の流れを渡さず。「もう1点取ったらいいという気持ちだった」という言葉にも自信が満ちた。

 今や頼れるエースも「去年はひょろっとした感じで使えるのか不安もあった」と黒田監督。それでもウエートなどで体作りに取り組み「彼への信頼がチーム内で確立された。この1年間で大きく成長した」と指揮官に言わしめる進化を見せた。

 後半26分にGK谷がレッドカードでの退場により10人となるも、1点を守り切っての勝利。MF平河とともに藤尾は五輪予選で離脱するが、黒田監督は「点を取って送り出せること、勝って送り出せることをうれしく思う」と目を細める。その結束力に、町田の強さの一端がにじんでいた。

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