日本サッカー協会が日本代表の次期監督として、W杯カタール大会で日本代表を2大会連続4度目の16強に導いた森保一監督(54)に続投要請をしていたことが24日までに複数の関係者の話で分かった。森保監督からは前向きな返答を得ているといい、続投が決定的となった。日本代表で監督がW杯本大会をまたぎ、継続して指揮を執るのは初めて。早ければ来年1月の理事会を経て正式決定する。
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北中米を舞台とする4年後のW杯も森保監督で目指すことになる。自国出身の指導者を代表監督に据えるのは、世界の流れでもある。W杯カタール大会の16強進出国でも、ポルトガル出身のベント監督が率いた韓国を除く15チームが自国出身の監督だった。W杯の歴代優勝国も全て自国出身者が率いた。
最大の利点は監督、スタッフと選手の円滑な意思疎通にある。森保監督は自身を「マネジメント型」と語るように、常に選手やスタッフの声に誠実に耳を傾けてきた。W杯1次リーグのスペイン戦では試合2日前に選手の進言を聞き入れ、布陣変更を認めた。「トップダウン型」の多い外国人指導者では考えにくい事例だが、結果は歴史的な勝利を得た。言語や歴史、文化の壁もなく、チームに一体感を醸成しやすい側面は間違いなくある。
外国人監督を迎え入れた場合、高額な年俸に加え、スタッフや家族らに掛かる経費も膨大な額に上る。費用対効果を考慮しても、日本人監督を起用するメリットの方が大きいとする声は多い。
一方で反町技術委員長は8強到達のため、戦術面での上積みを模索し続けた。ボールを保持されたドイツ、スペイン相手には強度の高い守備と速攻で勝利したが、ある程度、主導権を握れたコスタリカ、クロアチアには決め手を欠いた。選手からも「僕たちが主導権を握って勝てるようになれれば、次のステップに進むことができる」という声も出たように、明白な課題が表出。反町技術委員長はその克服を外国人指導者に託そうとした考えもあったという。続投の是非について、協会内で議論が尽くされたと願いたい。
現代サッカーにおいて、一つのスタイルで勝ち続けることは容易ではない。ボール保持を貫くスペインも2大会連続16強で姿を消している。「堅守速攻(カウンター)」と「ボール保持(ポゼッション)」を対立軸で語ってはならない。「戦術の使い分け」は森保監督も目指している。スタッフが刷新される新体制で、日本が新たな姿を見せられるだろうか。(デイリースポーツ・山本直弘)