Ｊ１で３年ぶり５度目の優勝を果たした横浜Ｍの元日本代表ＦＷ仲川輝人（３０）が、来季はＦＣ東京に完全移籍することが１４日、複数の関係者への取材で分かった。交渉は大筋合意に達しているとみられる。仲川は今季で横浜Ｍとの契約が満了となるため、移籍金は発生しないという。

　２０１５年に横浜Ｍに入団した仲川は、２度の期限付き移籍を経て才能が開花。１９年にはチームを１５年ぶりの優勝に導き、得点王とリーグＭＶＰを獲得した。同年には日本代表にも初選出され、東アジアＥ－１選手権で２試合に出場。昨夏は神戸から獲得オファーを受けたが、残留を決断していた。今季は３１試合に出場して７得点６アシストと存在感を発揮したが、先発１５試合と出場時間は思うように延びなかった。

　横浜Ｍは春先から契約延長を求めて粘り強く交渉を重ねるなど、功労者の慰留に全力を尽くしてきた。一方で来季のタイトル争いを見据えるＦＣ東京は３年間の複数年契約など破格の条件を提示し、Ｊ屈指の高速ドリブラーの獲得に成功した。

　◆仲川輝人（なかがわ・てるひと）１９９２年７月２７日、神奈川県川崎市出身。川崎の下部組織から専修大を経て、２０１５年に横浜Ｍ入り。町田、福岡への期限付き移籍を経験し、１８年に横浜Ｍへ復帰。１９年Ｊリーグ最優秀選手賞と得点王を獲得。同年には日本代表にも初選出された。Ｊ１通算１４０試合３５得点、Ｊ２通算３０試合３得点。国際Ａマッチ通算２試合無得点。１６０センチ、５７キロ。利き足は右。