田嶋会長、21年5月ACL決勝提案 リーグ戦を最優先、クラブや指導者に財政支援も

 新型コロナウイルスの感染症で入院していた日本サッカー協会の田嶋幸三会長(62)が23日、オンライン上でインタビューに応じた。同会長は新型コロナの影響で開催が中断されている今季のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)について、アジアサッカー連盟(AFC)に対して来年5月に決勝戦を行う案を提案していると明言。国内に向けてもクラブの財政面の支援体制を整えていく方針などを語った。

 世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。日本サッカー界の活動が止まっている現状に、田嶋会長は「今、我々がやるべきことはこの新型コロナウイルスをしっかりと制圧するということだと思っている」。その上で終息後を見据えて準備も進める。現時点で試合開催が中断しているACLについて、田嶋会長は自らアジア連盟に働きかけ、新たな日程を提案したと明かした。

 「(現状の大会方式である)11月までにやるとしたら、日本だけじゃなく全ての国内リーグやカップ戦がもたない。各国リーグとのバランスを考えた方が良いと思っている。ACLを最優先という形ではなく、いくつかの選択肢があるとすれば、来年の5月に決勝を持っていくというようなことも考えてもいいのではないかという提案はした」

 異例とも言える“越年開催”提案は、自国のリーグ戦を大事にするという考えもある。この日、日本協会が主催する天皇杯の大会方式変更を発表。JリーグからはJ1の2クラブのみが12月27日の準決勝から大会に参加する方式へ、大幅な変更で国内リーグ戦開催を支援する。「今年だけの特別な戦い方。今年はリーグ戦に集中してくださいという提案」と説明した。

 一方、日本サッカー界のトップとして、これまでに示していた選手や審判の登録料減免や、入場料収入の3%と定められている協会への納付金を免除する考えに加えて、街クラブや指導者などへの支援策も進めていくという。

 「困っているところを支援しないといけない。例えば3カ月後、4カ月後にスクールを再開したいと言っても、そこで教える人がいなかったらできない。クラブを再開したいと言っても、良い指導者がいなくなってしまった、ということを防ぐために、今は歯を食いしばってみんなで頑張ろうということを、融資になるか給付になるのかわからないが。なるべく早くスタートしたい」

 3月末の臨時評議員会では、新型コロナ対策としての予算も確保。会長自身もウイルスに感染して入院生活を送ったこともあり、医療従事者への感謝の気持ちは深い。医療団体への寄付制度などについても「それぞれ代表選手などが、医療関係者などさまざまな方に寄付しているのは事実だが、寄付の制度自体は作っていきたい」と語った。

 刻々と状況が変化し、先を見通すことが難しいコロナ禍。難局に立ち向かうサッカーファミリーに向けてメッセージを問われると、こう語った。

 「今は本当に大変な時。Jクラブから、なでしこリーグ、街でサッカーを支えてくださっている街クラブやスクールでも、緊急事態宣言によって(活動)自粛で外に出られない、クラブに生徒たちも来られない、子供も来られない中で本当に困っていると聞いている。そこをなるべく我々がサポートして支えていけるようにしっかりとした制度を立ち上げ、融資や給付が皆さんのもとに届くようにしたい。今ここで本当に歯を食いしばって頑張ってください。我々も一緒になってそこを耐え、そしてまたサッカーができる日を一緒に待ちましょうと伝えたい」

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