森保J 3バック手応え 令和初戦で“代名詞”初採用もドロー

 「キリンチャレンジ杯、日本0-0トリニダード・トバゴ」(5日、豊田スタジアム)

 日本がトリニダード・トバゴと0-0で引き分け、令和最初の国際Aマッチを勝利で飾ることはできなかった。ただ、初めて3バック布陣を試した森保一監督(50)は「オプションとして使える」と、9月に始まるW杯カタール大会予選に向けて手応えを口にした。日本は9日にひとめぼれスタジアム宮城での国際親善試合でエルサルバドルと対戦。その後、招待参加の南米選手権(14日開幕・ブラジル)に臨む。

 その切れ味は、新たな武器と呼ぶにはまだまだ心もとない。ただその一方で、さらなる高みへと登るためのカギにもなり得る。不完全燃焼感がぬぐえない、スコアレスドロー。悔しさを感じない者は誰一人としていないが、森保監督はあえて前を向く。「これまでやってきた形ではないシステムでの試合。難しい部分が多々あったが、攻撃も守備も確認しながらよくトライしてくれた」

 “代名詞”とも言える布陣だった。広島時代にはJ1を3度制し、東京五輪世代では自身が就任時から運用している3-6-1のシステムをA代表で初めて採用。コーチとして帯同したロシアW杯での経験をベースに、これまで積み上げてきた4バックの布陣ではなかったため、立ち上がりは慎重なプレーが目立った。それでも指揮官が「少しずつだが、試合の中で時間を追うごとに良くなったと思う」と振り返るように、徐々に相手を敵陣に張りつけにした。

 オプションを持つ必要性は高い。アジア杯決勝のカタール戦では、システム的にミスマッチな相手への対応に苦慮して敗北。ロシアW杯アジア予選では、徹底的に守るシンガポールにホームで0-0に持ち込まれた苦い経験もある。就任以降「毎回、試そうかなと思って活動してきた」という森保監督だが、ここまでは基本戦術の浸透を優先。試合前、3バックを確認した練習は2度だけだったが、9月にW杯予選を控えるからこそチャレンジした意味は大きい。

 テスト結果は振るわなかったが、取り組みそのものに選手の反応は上々。DF長友は一定の手応えを口にした上で「(3バックは)正直、これまでの代表では良いイメージがなかったが、オプションとして持っていれば間違いなく強みになる」。MF柴崎も「相手に合わせ、自分たちを優位にするため、4バックと3バックを両方できるのは悪いことじゃない」と語った。

 「急いでオプションを作っていくよりも、ベースを固めながらオプションを考えていければ」と指揮官。令和初の代表戦で見せた武器の輝きはまだまだ鈍いが、時間をかけて未来の“懐刀”へと鍛えていく。

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