ハリルJAPAN勝てたのに…不用意PKで悔しいドロー

 「W杯アジア最終予選、オーストラリア1-1日本」(11日、メルボルン)

 6大会連続となるW杯出場を目指すサッカー日本代表は、敵地でB組首位のオーストラリアと1-1で引き分けた。前半5分にFW原口元気(25)=ヘルタ=が先制したが、後半7分に相手MFジェディナク(アストンビラ)に同点となるPKを決められた。バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は「勝ち点2を失った感じだ」と語ったが、同組内で最大のライバルを相手に、アウェーで貴重な勝ち点を挙げた。日本代表は11月15日にホームでサウジアラビアと対戦し、全10試合となる最終予選の前半戦を折り返す。

 行動は、時に言葉よりも雄弁だ。「勝ち点2を失った感じ」。試合後、強気なコメントを残したハリルホジッチ監督は敵地での勝ち点1をつかんだ瞬間、納得の表情でベンチの選手・スタッフと固い握手を交わしていた。

 ほぼプラン通りだった。指揮官は両サイドに豊富な運動量で上下動を繰り返せるFW原口と小林を、中央にFW本田を配置。これは攻撃よりも相手の両サイドを封じるための守備面の狙いの方が強いもの。オーストラリアにボールを保持させて自陣に誘い込み、相手のミスからボールを奪ってカウンターを突き刺す。原口、本田ともに「狙い通り」と口をそろえる前半5分の先制点は、必然のシナリオだった。

 守りながら勝つ。いわば“弱者の兵法”なのかもしれないが、原口が「正直、自分たちがボールを持って、相手が引くよりも効率よく攻撃ができる」と語るように、この日の試合ではこれが効果的だった。ただ「特に守備面で素晴らしい試合をしてくれた」と指揮官が振り返るように、PK献上の場面以外ではほとんど相手を封殺しただけに、選手、監督ともに悔しさをにじませた。

 堅固な守備は、選手と指揮官がともに構築したものだった。体格で勝り、セットプレーの強さを誇るオーストラリアを相手に、メルボルン入り後に選手たちから指揮官との話し合いを要求。セットプレー時の守備戦術を詰めた。「壁の作り方やマークの部分など。選手たちが自発的に行動を起こして、監督も聞き入れてくれた。そこがイラク戦前とは違うところ。(イラク戦の)勝ち点3が大きかった部分だと思う」とDF槙野は話した。

 勝つチャンスはあった。勝ち点1は満点の結果ではない。ただ「この勝ち点1がどうなっていくか。それはこれから次第」とMF長谷部。意義あるドローにするためにも、11月15日のホーム・サウジアラビア戦で勝利をつかみ取る。

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