磐田劇勝2位!自動昇格で3季ぶりJ1

 「J2、大分1-2磐田」(23日、大分銀行ドーム)

 磐田が大分を2-1で下して勝ち点を82に伸ばし、2位で3季ぶりのJ1昇格を決めた。後半ロスタイムにMF小林祐希(23)が決勝点を決めた。勝ち点で並んでいた福岡も岐阜に4-1で快勝したが、得失点差で及ばず3位でJ1昇格プレーオフ(PO)に回った。最下位の栃木はJ3に降格し、21位の大分はJ3で2位の町田との入れ替え戦に回る。

 ドラマチックな展開にしびれた。待ち焦がれていた3年ぶりのJ1復帰。タイムアップの瞬間、磐田の選手がベンチになだれ込み、名波浩監督(42)の体が宙に7回舞った。

 “勝負の神様”が揺れた。勝てば、J1昇格が確実になる大分戦。1-0でリードした後半45分に同点弾を献上した。昨年のJ1昇格プレーオフの山形戦で、後半ロスタイムに決勝弾を許した悪夢がよみがえった。しかし、今季の磐田はひと味違っていた。後半ロスタイム。MF小林が左足で豪快にネットに突き刺した。

 名波監督は「昨年のプレーオフでは、GK山岸に決められた後、ピッチにうずくまっていた選手がいたが、きょうは同点に追いつかれても、すぐに気持ちを切り替えていた。その成長は大きい」と1年3カ月にわたる指導の成果を感じていた。

 昨年9月に就任し、チームに漂う停滞感を一掃した。名波監督は選手に4つのルールを設けた。(1)攻守の切り替えを早く(2)セカンドボールの予測を的確に(3)状況判断の早さ(4)常にシュートを狙う姿勢。昨年は、J1昇格を逃したが、さらに「サボらない」「あきらめない」「(集中力を)切らさない」の3つの約束事を徹底させた。

 30節の徳島戦(8月23日)から最終節まで13戦負けなしのチーム新記録。昨年は一度もなかった逆転勝ちが今季は6回を数えた。だが、これで終わりではない。名波監督は「エレベーターチームにはなりたくない。J1というハードルにしがみつき、(強豪と)何十年とわたりあえるチームにしたい」と力強く語った。

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