メッシ「あと一歩だ」夢のW杯優勝へ

 「ブラジルW杯・決勝、ドイツ-アルゼンチン」(13日、リオデジャネイロ)

 最終日は13日午後4時(日本時間14日午前4時)から決勝が行われ、ドイツとアルゼンチンが世界一を懸けて激突する。両チームは11日、それぞれの拠点で非公開練習した。アルゼンチンは、FWリオネル・メッシ(26)=バルセロナ=を押し立てて28年ぶり3度目の制覇を目指す。24年ぶり4度目の優勝を狙うドイツのエース、FWトーマス・ミュラー(24)=バイエルン・ミュンヘン=は攻守に体を張る覚悟を示した。

 28年ぶりの頂点まで、ついにあと一歩に迫ったアルゼンチン。ドイツ有利の下馬評を覆すには、背番号「10」の奮闘が絶対に欠かせない。PK戦の末に激闘を制した準決勝のオランダ戦後。FWメッシは自身のフェイスブックに「このチームの一員であることを誇りに思う。みんな素晴らしいよ。何て試合をやってくれたんだ。決勝進出だ。あと一歩だ」と興奮気味のコメントを書きつづった。

 決勝トーナメント以降の3試合では警戒され、得点を奪えていない。運動量は少ないが、チャンスとみるや、驚異的なスピードと圧倒的なテクニックで相手ゴールを襲う。チームメートの信頼も厚く、DFサバレタが「ボールを奪ったら、まずメッシを探す」と言うように、攻撃のほぼ全権を握っている。

 所属のバルセロナ(スペイン)では欧州チャンピオンズリーグ制覇を3度経験。08年北京五輪でも優勝し、3年連続でFIFA年間最優秀選手を受賞するなど、チームでも個人でもタイトルを総なめにしてきた。だが、過去2度のW杯ではわずか1得点に終わり、ともにベスト8の不完全燃焼。数々の印象的なゴールとともに86年メキシコ大会を制した英雄マラドーナとも常に比較され、母国メディアからは痛烈な批判を浴びてきた。

 それだけに、この大会に懸ける思いは強い。大会前にはスペインメディアに「W杯優勝は夢だが、これまでの流れを見る限り、かなえることは可能だ」と力強く話していた。

 決勝の相手は、くしくも28年前と同じドイツ戦(当時は西ドイツ)。優勝へ導くゴールを宿敵ブラジルの聖地マラカナン競技場で決めれば、マラドーナと並ぶ母国の伝説と称賛されるはずだ。

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