寿人サポーターの笑顔もう一度…夢実現

 「J1、鹿島0-2広島」(7日、カシマ)

 広島が勝ち点2差を逆転し、2年連続2度目の優勝を果たした。連覇は2007~09年に3連覇した鹿島以来。広島はFW石原直樹(29)が2得点して鹿島を2‐0で下し、勝ち点を63とした。同62の横浜Mは川崎に0‐1で敗れ、2連敗で9年ぶりのタイトルを逃した。鹿島は3位から5位に落ちた。川崎は3位に食い込み、来季のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権を得た。C大阪は浦和に大勝して4位に順位を上げた。

 逆転で手にした2年連続での歓喜の時。FW佐藤寿人(31)はチームメートと抱き合い喜びを爆発させた。あの日、誓った夢の連覇。「もう1つユニホームに星をつけたいと思っていた。夢みたい」‐。試合後、偽らざる言葉がこぼれた。

 先制点を演出した。前半35分。ゴール前で斜めに切れ込み、中央にスペースを作り出した。高萩からのスルーパスに石原が反応。右足で先制点を挙げた。「寿人さんが作ってくれたスペースにいいボールが来た。決めるだけだった」と石原。佐藤も「前の3人で取った点」と笑顔を見せた。後半23分に途中交代。7試合連続無得点に終わったが、逆転Vの一翼を担った。

 忘れられない日がある。2012年12月16日。広島市の平和大通りで優勝パレードした日だ。沿道に詰めかけた約6万人が、初優勝を自分のことのように喜んでくれた。もう一度あの笑顔が見たい‐。ともに喜びを分かち合うため、全力で走り続けてきた。

 地方クラブとしての意地もあった。浦和や横浜Mなどに比べ資金力は乏しい。昨オフには主力の森脇が浦和に移籍した。「このクラブでサッカーがしたいと思っている選手でやれるということを証明したかった。意地です」と力を込めた。

 史上4クラブ目となる2連覇を達成した。だが「もっと強いチームにしたい。これで終わりじゃない」。背番号11は3連覇へ向け力強く締めくくった。

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