横浜M、ホームでまさか完敗…Vお預け

 「J1、横浜M0‐2新潟」(30日、日産ス)

 勝ち点62で、勝てば9年ぶりのリーグ優勝が決まる首位の横浜Mは、ホームで新潟に0‐2で敗れ、優勝争いは最終節に持ち越された。横浜Mは後半27分、新潟のFW川又堅碁(24)に先制点を許すと、同ロスタイムにも失点を重ねた。勝ち点を60に伸ばした2位広島が逆転優勝に望みをつなぎ、同59の3位鹿島も数字上の可能性は残した。浦和は鳥栖に完敗し、優勝の可能性が消えた。

 6万人のため息が、スタジアムに充満したのは後半ロスタイム。捨て身で繰り出した攻撃の裏をつかれて、カウンターから失点。ホーム最終戦で勝利し、優勝を決める青写真は崩れ去った。

 「今、切り替えるのは無理だね。前節、広島と浦和が味わった1週間を味わいながら、次に向けてどう立て直すか」。MF中村俊は苦い表情で敗戦をかみしめた。

 今季、勝ち星を積み重ねてきた形を、逆にやられた。攻撃で押し込みながらも得点を奪えず、後半27分にCKから失点。「今季はああいう形をやって、僕たちは勝ってきたんだけど」とDF中沢は唇をかんだ。0‐0の後半23分には、ゴール前で俊輔が直接FKを狙ったが、相手のGK東口に阻まれた。大黒柱は「自分が決めていれば…。もっと上から降る(落とす)イメージだったけど」と悔やんだ。

 この日、スタジアムに詰めかけたのは、J1リーグ戦では史上最多となる6万2632人。最高の舞台で栄冠をつかむことはできなかったが、俊輔が「次に向けてどう立て直すか。もう1回(自力優勝の)チャンスがあるのはウチらだけなので、ポジティブにやっていきたい」と話せば、中沢も「岡田(武史)さんも言っていたけど『魂は細部に宿る』。今日は宿ってなかった。サッカーの神様は甘くない。ラスト1節、泣いても笑っても決まる。いつも通りの準備で臨みたい」と前を向いた。

 敗れはしたが、9年ぶりの栄冠に手がかかった状況に変わりはない。最終節は敵地で川崎を粉砕し、優勝をつかみ取る。

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