青山、本田直伝無回転ミドル!広島1勝

 「トヨタ・クラブW杯・1回戦、広島1‐0オークランド」(6日、日産ス)

 本田も仰天のミドル弾で世界一勝! 開催国枠で出場したJ1王者の広島は、オセアニア王者のオークランド(ニュージーランド)と対戦して、1‐0で勝利した。広島は、ゴール前を固めるオークランドを相手に苦戦するも、後半21分にMF青山敏弘(26)が無回転ミドル弾を決めて先制。北京五輪に挑んだ反町ジャパン時代にレフティーから学んだ秘密兵器で、チームを準々決勝に導いた。

 あの“金狼”の飛び道具をほうふつさせる悪魔の弾道が、ゴールネットを穿(うが)った。0‐0の後半21分。MF青山が放った右足ミドルは、ゴール前で急降下。「気持ちよかった。どうやって蹴ったかは、ボールに聞いてくれって感じですが、完ぺきな無回転でしたね」。歓喜の背番号6は、美しくも力強い決勝弾に、自画自賛だ。

 広島にとって、世界初勝利となる一撃は本田の“直伝”だった。「本田圭佑に昔、教えてもらったことがあるんです。反町ジャパン時代?そうですね。彼が蹴るのを、よく見ていたので」。最終的には08年の北京五輪出場メンバーには入れなかったが、当時の世代別代表で五輪出場権獲得に大きく貢献した男が、クラブ史上初のクラブW杯で大仕事をやってのけた。

 “もってる”ぶりも本田に負けていない。今季公式戦はこれで3得点目だが、これまでの2ゴールは5月の横浜M戦で決めた60メートル超えのミラクルミドル弾と、リーグ優勝を決めた11月24日のC大阪戦。自身は「派手ではなく、地道にやっていくタイプ」と控えめながらも「もってないと、ここまで来られていないですから」と語れば、エースFW佐藤も「(青山は)普通のシュートよりも、規格外のシュートを決める選手ですから」。インパクト抜群の一撃はある意味、必然だった。

 これで準々決勝へと駒を進め、次戦は9日に豊田スタジアムでアフリカ王者のアルアハリ(エジプト)と激突する。「攻撃的な自分たちのサッカーは、他のチームと少し違う部分がある。この大会で世界に広島のサッカーを発信したいし、出ている11人だけでなく、全員の力で戦う」と佐藤。破天荒な広島男児たちが世界大会で大きな一歩を刻んだ。

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