本田不発も「ゴールはケチャップと同じ」

 「W杯アジア最終予選、日本1-0イラク」(11日、埼玉ス)

 不発にも、どや顔‐。MF本田圭佑(26)=CSKAモスクワ=は、後半24、35分に決定機を迎えたが、ヘディングシュートはゴールネットを揺らせなかった。試合後には、アルベルト・ザッケローニ監督(59)からも得点を要求されたが、「次は取れる自信がある」と自信満々に語った。この日、歴代最多にあと1試合と迫る国際Aマッチ121試合目の出場となったMF遠藤保仁(32)=G大阪=は、敵将となったジーコ元日本代表監督に成長した姿を披露した。

 金狼は、反省すれどもへこたれない。勝利を決定づける得点は奪えなかったが、MF本田は自信に満ちあふれていた。自身のプレーを「決定力不足を露呈した。決めるところを決めないと、ビッグゲームでは命取りになる」と反省。だがすぐに「次は獲れる自信がある。前を向いてロシアで自分のクオリティーを高めていきたい」と語った。

 前半は相手のマンマークに苦しんだが「オランダ時代によくあったし、後半は必ずスペースが空く。(相手DFから)消える動きが必要だなと思っていた」。その言葉通り、DF長友、FW清武のクロスにフリーで飛び込んだが、こん身のヘディングはいずれもネットを揺らすことはできなかった。それでも「どうしたらいいかははっきりしている。何本外しても続けることですよ。名前は忘れたが誰かが言っていた。『ゴールはケチャップのようなもの。出ない時は出ないけど、出る時はドバドバ出る』って」と元オランダ代表でオランダ、英国、スペインの各国リーグで得点王になったファン・ニステルローイの言葉を引用した。

 試合後にはザッケローニ監督から「しっかり決めてくれ」と注文も受けた。だが、金狼は「僕自身がゴールをかなり求めている中で、なかなか人から『ゴールを獲れ』とは言われない。普段からこっぴどく言われますから。ああいうのは、監督というより、アドバイスをくれる存在として貴重。全然オレに満足していないのは、ありがたいというより、いい傾向だと思う」とサラリ。破天荒‐。ジス・イズ・本田圭佑だ。

 見据えるのは次なる戦い。「次は10月の(欧州遠征)フランス、ブラジル戦。楽しみにしていますよ。引いてくる相手とやっても、2年後(W杯本大会)のイメージはできない。W杯は、攻め込んでくるまったく違う相手ですから」。次なる戦いに備え牙を研ぐ。世界一を目指す本田は、立ち止まる時間がないことを知っている。

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