宮間 FK2発演出!夢かない涙

 「ロンドン五輪・サッカー女子・準決勝、日本2-1フランス」(6日、ウェンブリー競技場)

 ウェンブリーのピッチが涙で濡れた。「ファイナリストになった喜びよりも、このメンバーでサッカーができてうれしかった。一緒に泣いて笑った仲間と、ピッチに立てることがもう一度くる。それで少し涙が出ました」。常に冷静沈着だった主将MF宮間が、涙の理由を明かした。

 持ち前の高度な技術が凝縮された“2アシスト”だった。前半32分。それまでの相手GKのプレーをつぶさに観察し「狙って蹴った」というブレ球FKでキャッチミスを誘発。同じく「狙っていた」というFW大儀見の得点をお膳立てした。さらに後半4分には「蹴る瞬間にマークが外れたので」とMF阪口へとピンポイントFK。黄金の右足でチームを勝利へいざなった。

 いつだって仲間を思う。試合前のロッカー。「一人でも欠けていたら、ここまで来れなかったと思う。素晴らしいウェンブリーに、素晴らしいメンバーと一緒に立てて本当にうれしい」と語りかけた。キックオフ直前のセンターサークルでは、準々決勝で大会初ゴールを決めた大儀見に「初めて会った時から、信じていたよ」とつぶやいた。試合開始前後は、スタンドのサポートメンバーに向けて手を振り、米ロサンゼルス時代の同僚、仏MFアビリーには、試合後に手を差し伸べ、健闘を讃え合った。「サッカーは勝っても心が痛く、また心が洗われると思う」。常に、誰かのお陰でピッチに立てることに、感謝を忘れない。

 みんながいるから自分がある‐。そんな思いがあるからこそ、宮間は大舞台で輝く。金メダルまであと一勝。「『おめでとう』はまだ早い。決勝では、今まで以上に人生をかけたい」。流した涙は乾き、その目で頂点を見据えた。

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