尚弥油断しない 相手が1回目計量失敗

 「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(8日、有明コロシアム)

 ダブル世界戦の前日計量が7日、都内で行われ、WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(23)=大橋=は一回でパスしたが、ダビド・カルモナ(24)=メキシコ=は1回目に失敗し、2度目ででクリアする波乱があった。前WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者、内山高志(36)=ワタナベ=が計量失敗の挑戦者相手に防衛失敗したばかりで、井上陣営は一層気を引き締めた。また、IBFは両選手とも1回でパスした。

 井上尚がリミットの52・1キロでクリアした直後、仮計量から体重超過していたカルモナは、浮かない顔ではかりに乗った。下着を着けて300グラム超、全裸で200グラム超-2時間以内に無制限の再計量が許された。

 対戦相手の体重超過は初めてという井上尚は「200グラムだったら全然大丈夫でしょう」と意に介さず、計量終了後の定番、父・真吾トレーナー特製のサンゲタンスープをゆっくりと味わった。

 自身の仕上がりについては「減量は一番うまくいった。最後の最後までしっかり動けたし、体重もスンナリ落ちました」と余裕の表情。挑戦者は技巧派と前評判だが「テクニックだったら自分も負けない。技術対決でしっかり差を見せてKO決着できれば」と、自信満々だった。

 1時間40分後に会場に戻ったカルモナは、1回目から600グラムも落とした51・7キロでパス。すぐにコーラを一気飲みし、さらに清涼飲料水をがぶ飲みし「太陽の下を歩いただけ。少し走ったり、動いたりはした。落とし過ぎということはないね」と、うそぶいた。

 カルモナの計量を見届けた大橋会長は「良かった。ホッとしたけど、内山の時もこんな感じだった。油断できない」と、改めて気を引き締めていた。

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