三浦、V2で王座統一戦に大きく前進
「WBC世界Sフェザー級タイトルマッチ」(31日、大田区総合体育館)
王者・三浦隆司(29)=帝拳=が、挑戦者の同級2位ダンテ・ハルドン(25)=メキシコ=を9回55秒TKOで破り、2度目の防衛に成功した。三浦は5回に最初のダウンを奪ったあとも一方的に攻め続け、最後はロープに詰めての連打で沈めて完勝。熱望するスーパーフェザー級の王座統一戦へ大きく前進した。
判定で勝つことは毛頭考えていなかった。5回にダウンを奪った三浦は左ボディー、右フックを決めて、8回終了時点の公開採点では、ジャッジが9~10ポイント差をつける大量リードを奪った。
しかし、9回、イチかバチかの逆転を狙って前進してきたハルドンを迎え撃つと、ロープに詰めて嵐のような連打。挑戦者のマウスピースが吹っ飛ぶと、次の瞬間リングに崩れ落ち、コイヴィスト・レフェリーはノーカウントで試合をストップした。
三浦は長男・武元(たけはる)ちゃんをリングに上げてインタビューを受けた。「もうちょっと早く倒せたけど、KOで勝てて本当にうれしい。最高の大みそかになった」と、会心の笑顔を見せた。ハルドンは24勝(20KO)3敗の戦績を誇るハードパンチャーだったが、「効いたパンチはなかった。思ったほどの威力もなかった」と言い切った。
昨年4月の世界王座奪取に始まり、8月にはメキシコでの海外防衛戦、V2戦も堂々のKO勝利で飾った。「ボクサーとして充実した1年だったと思う」と胸を張った。
次の目標は、もちろんスーパーフェザー級の王座統一戦。ジムの本田明彦会長は「できるだけ早くやらせたい」と次戦にも行いたい意向を示したが、ここ数戦の激闘のダメージを考慮して、まずは体を休ませることを優先させる方針だ。
三浦は「どんな試合でも受けて立ちます。強い相手とやりたい」と、ビッグマッチを熱望した。