大橋秀行会長 万感...少年時代から夢想した“最強VS最強” 中谷次第でプランB用意も無事実現「2人は戦うべき運命だとしか」
「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(2日、東京ドーム)
歴史的な一日をつくりだした大橋ジムの大橋秀行会長(61)がデイリースポーツの取材に応じた。1988、90年はマイク・タイソン(米国)という世界的ビッグスターによって熱狂を生んだ東京ドームを、今回は日本人同士の頂上決戦で超満員にした。「ほぼ日本選手だけで約5万5000人を超満員にできたっていうのは大きい」。プロモーターとして2年ぶり2度目の主催となった超ビッグマッチ成功に感慨を込めた。
最強VS最強-。それは少年時代から大橋会長が夢想してきたイメージの具現化だった。小学生時代はプロレスに夢中になったが、ジャンボ鶴田や“人間風車”ビル・ロビンソンらが“何でもあり”ルールで戦えば、どうなるかに想像を膨らませていた。「最強と呼ばれる者同士が、今でいうUFCのような試合で戦ったら、どんな展開でどっちが勝つんだろうと妄想していたんですよ」
ボクシング界でも1977年4月23日、当時WBC世界バンタム級王者のカルロス・サラテと、WBA同級王者アルフォンソ・サモラのメキシカン頂上決戦「Zボーイズ対決」が実現した。「当時中学1年だったが、バンタム級で全勝同士の究極の戦いだったんですよ。こういう試合が日本で行われたらな…というのが夢だった。それが(今回は)複数階級制覇の32戦無敗の日本人同士だからね。まさか、あれを超える戦いができるなんて想像もできなかった」と万感を込めた。
1年前の年間表彰式の壇上で、尚弥が中谷に対戦を呼びかけたことからストーリーが急加速した。大橋会長もモンスターVSビッグバンを念頭に、翌年5月の東京ドームを押さえたが、プロモーターとしては肝が冷える1年間だった。以降も尚弥は3戦、中谷も2戦、強敵との試合を経たが、いずれかが負ければご破算となる。一番の障壁は昨年12月、中谷はスーパーバンタム級初戦でセバスチャン・エルナンデス(メキシコ)との対戦が決まったが、大橋会長は尚弥のスパーリング相手も務めたメキシカンの強さを知っていただけに、中谷陣営のM・Tジム村野会長に「本当にやるの?厳しいよ」と進言するほどだった。
中谷が負けた場合に備え、東京ドーム大会を尚弥のフェザー級初戦にするという“プランB”も急きょ準備しかけたが、苦戦しながらも判定で勝ち切ってくれたことで胸をなで下ろし、5・2東京ドームの予約を確定させた。「本当によく勝ってくれた。ギリギリの戦いで、判定でも負けていたら運命は崩れていた。2人は戦うべき運命が待っていたんだとしか思えない」。大橋会長の耳に、歴史的ゴングは人一倍、感慨深く響いた。
