井上尚弥&中谷潤人ともに勝利も明暗、どうなる5月東京ドーム決戦?井上改めて意欲「かき乱して申し訳ない」辛勝の中谷潤人「どう糧にするか燃えたぎっている」

試合後に会見した中谷潤人
試合後に会見した井上尚弥
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 「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(27日、リヤド)

 王者・井上尚弥(32)=大橋=がWBC同級2位アラン・ピカソ(25)=メキシコ=を判定3-0(120-108、119-109、117-111)で下し、防衛に成功。また、来年5月に東京ドーム決戦が計画されている元3階級制覇王者の中谷潤人(27)=M・T=はセミで、WBC同級9位セバスチャン・エルナンデス(25)=メキシコ=と同級ノンタイトル12回戦に臨んだが、苦しい展開の末に判定3-0(115-113、115-113、118-110)で競り勝った。

 ドリームマッチ前哨戦で、ともに判定勝ちを収めたものの明暗は分かれた。サウジ初上陸となった井上は、ディフェンスを固めたピカソを倒すことこそできなかったものの終始ペースを支配し、フルマークを含む大差をつけて完勝。「今夜はよくなかった」と反省を口にしたものの、傷一つない顔でリングを降りた。

 対照的に、井上戦に向けてスーパーバンタム級に転向した中谷は大苦戦した。クリーンヒットでもダメージを与えられず、絶えずプレスを掛けてくるエルナンデスに押し込まれる展開が続き、終盤まで打開できなかった。試合中盤からは右目を大きく腫らした。何とか判定勝ちしたものの、2者が115-113をつける僅差だった。

 まさかの薄氷の勝利となった中谷は試合後、サングラスで目のダメージを隠しながら「タフな試合になった。最後まで気持ちを切らさず戦ったのが勝因。採点を待つときは(ジャッジから)与えられるものなので、やり切ったのでスッキリして待っていた」と振り返った。

 井上戦を見据えたスーパーバンタム級での初陣は苦しい戦いとなったが、「今日12ラウンド戦って、タフな選手と(この)階級を経験できたのはキャリアの糧になる。これが本当のリアル(な立ち位置)だと感じている。これをどう糧にしていくかは、燃えたぎっているものがあるので、期待してもらえたらと思います」と言葉に熱を込めた。

 また、井上は来年5月の東京ドームについて、フェザー級に転向して5階級制覇に挑戦する可能性も浮上していることを衝撃告白した。これを受け、中谷は「そういう話も入ってきてはいるが、僕自身はPFP1位になる、この階級で世界王者になる目標で(階級を)上げてきているので、井上選手とやれないとなると寂しさはあるが、その目標はぶらさずにやっていきたい」と率直に語った。

 一方、井上は試合後の会見で、来年5月の選択肢について「そういった(フェザー級転向の)話もありましたけど、今日(中谷と)お互いに勝って、そりゃもう、やりましょうよと。会長にも。自分としてもやる気持ちは十分あります」と改めて中谷戦に意欲を示した。「もちろん自分から(対戦を)呼びかけてますし。ただ、そういう(フェザー級の)話がさらっと入ってきたので、あの場でさらっと話をしてしまったのが、それでちょっとモワーって(話題に)なって、かき乱してしまって申し訳ないのはあるが。まあ自分としては来年5月にやるつもりはもちろんあります。もちろんフェザー級もやるつもりはある。それは、5月ではなくて(それ以降)」と、自身の考えを明かした。

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