「ボクシング・ＷＢＯ世界バンタム級タイトルマッチ」（２８日、横浜ＢＵＮＴＡＩ）

　王者・武居由樹（２８）＝大橋＝が同級８位のユッタポン・トンデイ（３１）＝タイ＝の挑戦を受け、１回２分７秒ＴＫＯ勝ちで２度目の防衛に成功した。踏み込んでの左フックで計３度ダウンを奪い、立ち上がってきた相手にラッシュを掛けたところでレフェリーストップ。衝撃の完勝劇で、自身３回目の世界戦で自身初のＫＯ勝利を飾った。メインをしっかり締めくくり、「とにかく今日は倒さないとと思って、最初から飛ばした。１回から倒しにいくつもりだった。メインをやらせてもらって、１回ＫＯで勝てたことは本当にうれしい。声援が力になった」と声を弾ませた。

　次戦は指名試合となる見込みだが、バンタム級では６月８日にＷＢＣ王者・中谷潤人（Ｍ・Ｔ）とＩＢＦ王者・西田凌佑（六島）の王座統一戦（有明コロシアム）が控える。ＷＢＡ休養王者の堤聖也（角海老宝石）もリングサイドで観戦する中、存在感を誇示したＷＢＯ王者は、リング上のインタビューで「まずは指名試合をクリアしたら誰とだってやる。でも、もう一本くらいベルトほしいっすね。まだまだ上を目指してやっていく」と、統一戦に意欲を示した。

　リング上での発言の真意について「最近になって（ベルトが）１本じゃ物足りなくなってきた。タイミングが合えばいきます」と武居。また、最近の試合後、対戦を熱望していた那須川天心（帝拳）の名前を出さなかった理由については「彼はまだチャンピオンじゃないので、（今回は）いいかなと。（天心が世界タイトルを取ってから？）それもいい。まあ、応援してます」と、一段高い視座からエールを送った。

　大橋ジムの大橋秀行会長（６０）は武居について「（世界戦では）判定勝ちが続いていたので守りに入るボクシングになっていたが、（今回は）野生味は取り戻せたと思う。次の指名試合が終われば、面白い対決を実現させたい」と言及し、統一戦の可能性については「（相手が）中谷じゃないのは間違いないです」と語った。