亀田和毅 3階級制覇逃すも0-2善戦 再起へ意欲「もう一回チームで話して」亀田家“最終章”先送り

 「ボクシング・IBF世界フェザー級タイトルマッチ」(24日、インテックス大阪)

 フェザー級は同級1位で挑戦者の亀田和毅(33)=TMK=が、王者のアンジェロ・レオ(米国)に0-2の判定で敗れ、世界3階級制覇はならなかった。レオは初防衛に成功した。ミニマム級では前王者で同級4位の挑戦者、重岡銀次朗(25)=ワタナベ=が王者ペドロ・タドゥラン(フィリピン)に1-2の判定で敗れ、王座返り咲きを逃した。昨年7月以来の再戦も制したタドゥランは初防衛。

 自身の集大成として臨んだリングで、亀田の追い上げは一歩届かなかった。序盤の劣勢を中盤から盛り返し、王者と接戦を演じた末の判定負け。会場の四方に手を合わせて謝罪すると、セコンドの父・史郎氏に肩を抱かれながら悔しそうに引き揚げた。

 試合前の予想を大きく裏切る展開だった。亀田は序盤こそ相手の強打を警戒して慎重に立ち回ったが「正直パンチ力はなかった」と見るや、戦術を切り替えた。5回以降は近距離の打ち合いにも応じ、強い圧力をかけ続けた。

 ただ、序盤の様子見があだにもなった。4回までほとんどのラウンドを王者に取られていた。攻め時を見誤ったことを反省。「やっぱりちょっと見過ぎた部分があった。やっぱり挑戦者なんで一歩足りなかった気持ち」と敗因を語った。

 『亀田家最終章』と銘打たれた一戦。元世界王者の興毅、大毅の兄を含めて、亀田家8本目の世界のベルト奪取へ、史郎氏も試合前日から「最後の戦い」と口調を強めるほど、不退転の覚悟で臨んだ一戦だ。

 ただ、挑戦者不利とする下馬評を覆し、大阪の熱いファンの前で善戦を繰り広げた。亀田も「絶対に無理と言われた中で、接戦までいっているわけだから。紙一重」と、前向きな言葉をしばしば並べた。

 手応えを得たままで、自身の進退にも前向き。「ちょっとの工夫でいけると思う。もう一回チームで話して」と文字通りの意味の『最終章』は先送りした。世界再挑戦の道は険しいが「どうなるかは交渉次第だし、(世界ランク)15位から落ちるわけじゃない」と再起へ意欲を示した。

 ◇亀田和毅(かめだ・ともき)1991年7月12日、大阪市出身。興毅、大毅の兄2人とともに幼少時からボクシングを始め、15歳で単身メキシコへ。2008年11月に同国でプロデビューした。13年8月、WBO世界バンタム級王座を獲得。3度防衛後返上。18年11月にWBC世界スーパーバンタム級暫定王座を獲得し、世界2階級制覇を達成。19年7月、王座統一戦で敗れて陥落した。家族はメキシコ人の妻と男児2人。身長171センチ。右ボクサーファイター。

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