前日死闘で王座陥落のユーリ阿久井政悟が脱帽「拳四朗選手はやっぱ最強の存在」12回TKOで逆転負けも「ストップに異論ない」
ボクシングの前WBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(29)=倉敷守安=が、WBC世界同級王者の寺地拳四朗(33)=BMB=との王座統一戦から一夜明けた14日、都内で会見した。壮絶な死闘の末、12回TKO負けを喫し王座陥落。病院に直行して3センチ以上カットした口元を縫合し、部屋に戻って就寝したのは午前4時だという。「調子がよかったし、昨日だけ拳四朗選手を上回ってやろうと初回から全力でいったが、最後にいいのをもらっちゃいましたね」と振り返り、「拳四朗選手はやっぱ最強の存在ですね」と脱帽した。
ユーリ阿久井は初回から鋭い強打をヒットさせ、寺地を押し込んだ。有効打で上回り、11回終了時点での採点は2-1とリード。大物王者を破っての2団体統一まで目前に迫ったが、最終12回に寺地の右ストレートを被弾し、猛ラッシュを食らって無念のレフェリーストップとなった。リング上ではいつくばった号泣したが、「これで負けたら仕方ないくらいの気持ちでつくってきたが、(それでも)及ばなかったのが悔しくて」と無念さをにじませた。
逆転負けを喫した寺地の底力について、「まずは経験と引き出し。(試合中に)作戦を変えられるのと、最後(攻勢に)いききる気持ちとスタミナ、根性がすごかった。自分も試合前は100%の力を出したら勝算があるかなと思ったが、さすがに最後まで持たせることができず、そこが上回られたのが勝負を分けたかな」と脱帽。ただ、以前スパーリングで手を合わせた際は圧倒された憧れの王者に肉薄し、「精神的に成長したところを見せられたかな。前はボコボコにされて落ち込んでいたわけですから」と感慨を込めた。
また、最後のストップのタイミングが早かったのではという声が一部であることについては「(自分も)最後まで狙っていたが、止められたのは仕方ないかなと。ストップに異論はないです」と語り、「とにかく無事にリングを降りられたことがデカい。妻もそう言ってたし、本当にストップに関しては何も言うことはないです」と潔かった。
今後については「まだわからないが、ゆっくり考えたい。とりあえず家族との時間を楽しみたい。(スーパーフライ級転向の可能性)それも含めて考えたい」と話した。





