ユーリ阿久井 王座統一ならず無念の涙 寺地の怒濤パンチ受け棒立ちに 死闘の勲章かかえ病院直行

 寺地拳四朗に敗れて肩を落とすユーリ阿久井政悟(撮影・堀内翔)
 12回、TKOで敗れたユーリ阿久井政悟(中央)と勝利で統一王者に輝いた寺地拳四朗(左)=撮影・佐々木彰尚
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 「ボクシング・WBC・WBA世界フライ級王座統一戦」(13日、両国国技館)

 トリプル世界戦が行われ、世界フライ級2団体王座統一戦で、WBC王者の寺地拳四朗(33)=BMB=が、WBA王者のユーリ阿久井政悟(29)=倉敷守安=に12回1分31秒TKO勝ちし、統一王者となった。

 最後の最後に力尽きた。怒濤(どとう)のパンチを受けて棒立ちになり、レフェリーに試合を止められたユーリ。ひざまずき、涙が止まらず、タオルで顔を覆った。死闘の勲章か、口元を3センチ以上カットし、試合後には治療のため病院に直行。6月に第3子の長男が誕生予定で「チャンピオンのまま、生まれてくる時を迎えたい」と意気込んでいたが、統一王者の“産声”を響かせることはできなかった。

 昨年1月に世界王座を奪取した際など、歓喜のリングサイドには妻と2人の子供の声援があった。ただ、妊娠中の妻はこの日、体調管理のため観戦を回避。妻の「頑張ってきて」との言葉と、親戚のもとリングサイドからエールを送った2人のまな娘の思いを胸に、立ち上がりから懸命に攻めた。

 21勝中11KOと、KOでの勝率が5割を超えるが、直近5試合では判定勝ちが続いていた。この試合も11回終了時点で2人のレフェリーがユーリを支持しており、6戦連続判定勝ちが視野に入った。だが、12回、相手の執念の攻めに耐えきれず。ベルトを守れなかった。

 ◆ユーリ阿久井政悟(ゆーり・あくい・せいご) 本名阿久井政悟。1995年9月3日、岡山県倉敷市出身。元プロボクサーの父の影響でボクシングを始め、倉敷翠松高から環太平洋大に進み、14年4月にプロデビュー。15年12月にライトフライ級で全日本新人王。19年10月に日本フライ級王座を獲得し、3度防衛後に返上。24年1月にアルテム・ダラキアン(ウクライナ)に判定勝ちし、WBA世界フライ級王者に輝いた。リングネームの「ユーリ」は、90年代に活躍した元世界王者の勇利アルバチャコフから。家族は夫人と2女、第3子となる男子が誕生予定。右ボクサーファイター。163センチ。

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