拳四朗が大激闘制し王座統一 長谷川穂積氏「様々なピンチを乗り越えてきた経験の差が最後に出た」 ユーリの「覚悟の入った右ストレートが印象的」

 13日に両国国技館でボクシングのトリプル世界戦が行われ、WBC・WBA世界フライ級王座統一戦では、WBC王者の寺地拳四朗(BMB)がWBA王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)に12回1分31秒、TKO勝ちして王座統一を果たした。また、WBO世界フライ級タイトルマッチで、王者のアンソニー・オラスクアガ(米国)が挑戦者の京口紘人(ワタナベ)に判定勝ち、2度目の防衛に成功した。WBO世界ライトフライ級王者の岩田翔吉(帝拳)はレネ・サンティアゴ(プエルトリコ)に判定負け、初防衛に失敗してタイトルを失った。デイリースポーツ評論家・長谷川穂積氏が、今回の戦いを分析した。

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 寺地拳四朗選手とユーリ阿久井選手は素晴らしい戦いだった。1ラウンド目から、お互いがジャブの差し合いでペースを取り合う。ラウンド中もラウンドごとも、お互いにペースを奪えば奪い返す。その中でもユーリ選手の覚悟の入った右ストレートが印象的だった。何度も拳四朗選手の顔をはね上げ、この試合にかける気持ちを感じた。

 お互いにいいパンチが入れば、必ず打ち返して最初から最後まで激しい打撃戦が続く。11ラウンドの1分半過ぎ、それまで堅いガードとブレないフォームで戦っていたユーリ選手の動きが少し荒くなったように感じた。もしかすると、頭のスタミナが切れかけたのかもしれない。結果、12ラウウドは拳四朗選手のラッシュで試合は終わった。様々なピンチを乗り越えてきた経験の差が、最後に出たのだと感じた。今後は拳四朗選手は3階級制覇へ、ユーリ選手はもう一度世界チャンピオンへ。それぞれが自分のストーリーをつくって歩んでいく。きょうがその始まりの一日となる。

 京口選手はよく健闘したが、オラスクアガ選手がパンチがあるので、戦いながら自然と体が拒絶していたところがあったように思った。もっと前に出て攻めたかったと思うが、人間にはそういう怖さを感じることがあるものだ。

 岩田選手は相手のポイントの取り方のうまさが光った内容でタイトルを失ってしまった。ただ、この負けをいい経験に変えて、さらに強くなることが一番大事になってくる。巻き返しに期待したい。

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