中谷潤人 6月西田と統一戦実現へ 早期4団体統一困難ならSバンタム級転向視野 あるぞ尚弥戦!夢のビッグマッチも
ボクシングのWBC世界バンタム級王者、中谷潤人(27)=M・T=が3度目の防衛から一夜明けた25日、都内で会見した。リング上で対戦を約束したIBF世界同級王者の西田凌佑(六島)との統一戦について、6月にも実現する可能性が浮上。その後の展望として、さらに他団体王者との統一戦の早期実現が難しい場合、スーパーバンタム級に転向する考えを明かした。前WBO世界バンタム級王者のジェーソン・モロニー(オーストラリア)を破った那須川天心(26)=帝拳=は6月に次戦を挟み、11月にも世界王座に初挑戦するプランが明らかになった。
ビッグバンがさらなる爆発を求めてエネルギーを濃縮する。中谷は、西田との待望の統一戦が6月にも実現する可能性が高まり「(西田に)リングに上がってもらい現実味が増した。(機運を)盛り上げたい」と改めて意欲。まずは西田戦を見据えつつ、その後4団体統一を目指す考えについては「すぐできるのであれば(やりたいが)、体に無理してまで(バンタム級に)いる考えはない」と、あくまで早期実現が可能な場合はという注釈を付けた。
一方、来年にも実現の可能性がある世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31)=大橋=との夢のビッグマッチに備え、スーパーバンタム級に上げて実戦経験を積む選択肢もある。「もちろん井上選手とやるってなったら、(スーパーバンタム級で)体をつくっていかないと勝てない。(スケジュールも踏まえ)しっかり調整しないと」と、階級転向も視野に入れた。
爆発力を増すビッグバンは前夜、過去28戦無敗でダウン経験すらなかった同級6位ダビド・クエジャル(メキシコ)を3回KOで退け、節目のプロ30連勝を飾った。鮮烈な完勝劇だったが「鼓膜が破れた」と衝撃の告白。拳を開き気味の相手の左フックが右耳に直撃した際「パンッ」と音がしたというが「スパーリングで(鼓膜破裂は)いっぱいやったので大丈夫」とケロリ。試合中は初めてだったが「痛くない。全然大丈夫」と笑った。
また、米専門誌「ザ・リング」で、中谷は6階級制覇も可能だとの記事が配信された。「海外でも注目してもらえていると感じる」とうなずきつつ「結果論なので、自分がいいパフォーマンスをできるところ(階級)で発揮していきたい」と淡々。外野のノイズには耳を貸さず、己の拳だけを磨き続ける。
◆中谷 潤人(なかたに・じゅんと)1998年1月2日、三重県東員町出身。2015年4月にプロデビュー。20年にWBO世界フライ級王座、23年にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得した。同王座を獲得したモロニー(豪州)戦は、米国で最も権威ある専門誌ザ・リングの年間最優秀KO賞に選出された。24年にWBC世界バンタム級王座を獲得。リング誌が選定する全階級を通じた最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド」でトップ10入りした。同10月には同級2度目の防衛を達成。身長172センチ、リーチ170センチ。左ボクサーファイター。


