田中恒成が告白 試合1カ月前に41度の高熱の大ピンチで「1週間から10日」動けず
「ボクシング・WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(20日、両国国技館)
2月24日に獲得した王座の初防衛戦に臨む田中恒成(29)=畑中=が9日、名古屋・畑中ジムで公開練習と記者会見を行い、試合1カ月前に41度の高熱を出していたことを打ち明けた。
スパーリングのラウンド数を聞かれた田中は「全然やってなくて、いつもの3分の1、4分の1くらい。体調を崩すのがけっこう重なってしまったので。熱とか41度以上出て、そういうのが大きかった」と告白した。
新型コロナやインフルエンザは陰性で、いわゆる風邪だったようだが、「1週間から10日」は動けなかったという。
試合が迫る中での高熱で「練習が自分の思い描いていたプランとはいかなかった。急ピッチで最後、調整する中で、焦りがあったし、調整も難しかったし」と振り返ったが、「現時点で既にその辺の不安はなくなっていて」と強調。
「スパーリングのラウンド数も少なくなってしまったからこそ1回のスパーリングに集中して、練習できるチャンスはこれしかないって毎回やってきた。こんな調整の仕方もあって、こんなふうに仕上げられるんだっていうのも新しい感じで、良い方に転んだとは思っています」と、考え方を「災い転じて福となす」に切り替えたという。
村田大輔トレーナーも「その分、逆に中身が濃くできた。濃くするためより課題を明確に持って、スパーリングのラウンド数が少ない分、より上げ目でやった。相当タイトなスケジュールで詰め込んでやってるので、厳しかったと思う」と補足した。
田中は「今までもキツい状況はたくさんあった。そこから今まで追い込んでいい練習ができているので。今は身体の状態もいいですし、精神的にもとてもいい」と、危機を乗り越えたことを笑顔で示していた。
今回は「自分から攻めること、手数、コンビネーションを特に意識して」練習したといい、「(ディフェンスを重視した)前回とは違う戦い方になると思います。本来自分が持っている良さを一番出せるボクシングになっていると思います」と説明。理想の試合展開を「完封しながらの、どっかでチャンスを作ってKO」とし、「自分だけ打って、完封しつつチャンスを作って、チャンスでは思い切り攻めたい。KOを目指してやる。一発を警戒しながら、コンビネーションで倒したい」と詳しく語っていた。