井上尚弥が快挙 史上2人目&最速2階級4団体制覇!難敵サウスポー、タパレスに10回KO勝ち こめかみに右拳一閃 突然決着に驚きも「ビックリした」

 「ボクシング・世界スーパーバンタム級4団体王座統一戦」(26日、有明アリーナ)

 WBC・WBO王者の井上尚弥(30)=大橋=が、WBA・IBF王者で、“悪夢”の異名を持つマーロン・タパレス(31)=フィリピン=を10回1分2秒KOで下し、テレンス・クロフォード(米国)に次ぐ史上2人目、史上最速5年7カ月で2階級での4団体統一を成し遂げた。これで世界戦21連勝。節目となる10本目の世界王座ベルト獲得となった。

 ゴングが鳴ると、井上は鋭いジャブで間合いをはかりつつ、ボディーを打ち込んでいく。サウスポーのタパレスも様子をうかがいながらの展開で最初の3分間が経過した。第2ラウンドも引き気味のタパレスを井上が徐々に大きなパンチを交えながら攻め込んでいった。第3ラウンドはギアを上げた井上が強烈なパンチをたたき込んでいき、追い込んでいったが、タパレスも左ボディーから反撃。第4ラウンドは序盤から井上がコンビネーションから攻め込んだが、タパレスも反撃。井上は強烈な左ボディーを打ち込み、タパレスにダメージに与えていくと、左フックを効かせて、そこからのラッシュでダウンを奪った。

 第5ラウンドは井上が決めにいったように見えたが、タパレスも反撃。第6、7、8、9ラウンドは後ろに重心をかけながら戦うタパレスに、井上は飛び込みながらパンチを放つが、決定打を打ち切れず。それでも第10ラウンド、勝負をかけ前に出てきたタパレスに対して、強烈な右ストレートをテンプルにさく裂させ、リングに沈めた。

 井上は勝利者インタビューで「まず対戦を受けてくれたタパレス選手に感謝したい。1年前に1つあげて、4本のベルト集めることができたのも応援のおかげ。もっと強い姿みせられるように精進していきたい」と充実した表情で語り、「非常にタフで強い選手でした。戦前予想していた通りの選手。そういう選手に勝つことができた。自分がやってきたことが証明されてホッとしてます。(ポイントを)リードしているのは感覚的に分かっていた。でも、ポーカーフェイスで効いてる様子がなく耐えていたので、崩れ落ちた時はビックリした。蓄積させていたので、相当ダメ-ジあったのかなと」と、振り返った。

 ◆テレンス・クロフォード 米ネブラスカ州オマハ出身のボクサー。08年にライト級でプロデビューすると、14年WBO王座を獲得。2度の防衛に成功した後、スーパーライト級へ。15年にWBO王座を獲得し、2階級制覇を成し遂げた。16年にWBC王者のポストル(ウクライナ)に判定勝利し、2団体統一を果たすと、17年にはWBA・IBF王者のジュリアス・インドンゴ(ナミビア)に3回TKO勝ちし、同級では史上初の主要4団体統一を成し遂げた。

 ウェルター級に転向し、18年にWBO王者となり、3階級制覇を達成。6度防衛を重ね、23年7月にWBA・WBC・IBF王者のエロール・スペンス・ジュニアに9回TKO勝ちで勝利し、男子ボクサーでは史上初の2階級での主要4団体王座統一に成功した。1階級目の王座獲得から2階級4団体統一まで要した期間は8年3カ月。1987年9月28日生まれの36歳。戦績は40戦40勝(31KO)

 ◆10本目の世界王座ベルト獲得

 井上は14年にWBC世界ライトフライ級王座での初世界王座獲得を皮切りに、WBO世界スーパーフライ級王座、WBA、IBF、WBC、WBOバンタムを獲得してきた。現在保持のWBC、WBOスーパーバンタム級に加え、新たにWBA、IBFの同級ベルトも獲得し、記念すべき10個目の王座獲得となった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス