ボクシングＷＢＡ・ＷＢＣ・ＩＢＦ統一バンタム級王者の井上尚弥（２９）＝大橋＝が２８日、本格的なジムワークを再開し、ＷＢＯ同級王者ポール・バトラー（３３）＝英国＝との４団体王座統一戦を改めて熱望。所属ジムの大橋秀行会長は尚弥のファイトマネーが次戦には３億円の大台に達する見込みを語るとともに、将来的な東京ドームでの試合開催を目標に掲げた。

　９日のノニト・ドネア（フィリピン）との再戦を２回ＴＫＯで完勝してから約３週間。尚弥は、試合の最中に自宅が空き巣被害に遭う災難もあったが、「ゆっくり気持ちも休めて、回復したので、また今日から頑張っていきます」と意気込みを語った。

　今後については「ここまで来たらバンタム級でやり残したことはあと一つ。交渉がうまくいって４団体統一と決まればそこに照準を合わせて勝ちに行きます」とバトラー戦を改めて希望。バトラーと契約する米国の大手プロモーター、プロベラムはＳＮＳ上に尚弥とバトラーが向き合う画像を掲載しており、「向こうのプロモーターもやる気なんだなと感じましたし、自分も決まるんだなと気持ち的に高まりますね」と胸を躍らせた。

　大橋会長は、バトラー戦について「向こうが望むならこっちも（バトラーの地元英国へ）行く。ただ、こっち（日本）でやった方が金銭的にもいいんじゃないかと思う。呼ばれるなら行きますよ。条件次第だよね」との考えを示した。そして、ドネア戦のファイトマネーが２億円以上だと言われているが、次戦は「次も最大」と３億円以上に達することを示唆した。

　また、１９日に東京ドームで開催されたキックボクシングＲＩＳＥ世界フェザー級王者の那須川天心と前Ｋ－１ワールドＧＰスーパーフェザー級王者の武尊の試合が５０億円以上の売上になったことにも言及。「形を見せてくれましたね。ああいう風に結果が出ている。今までは日本では無理だと言われていた。出たということは土壌がある」と刺激を受け、将来的に尚弥の試合を東京ドームで開催することについて「全然ありですよ。見に行っていないけど、あの異様な雰囲気、ボクシングはああいうのを出せる。もっと独特な異様な雰囲気、それを出せるのは井上尚弥しかいない。一つの目標ですよ」と前向きな姿勢を示した。