新日本・棚橋、飯伏に激勝US王座V1 涙の宣言「お帰りって言う係もうちょっとやる」

 「プロレス・新日本」(4日、メットライフドーム)

 新日本が14年8月以来約7年ぶりにメットライフドーム大会を開催。IWGP USヘビー級選手権試合が行われ、王者の棚橋弘至が挑戦者の飯伏幸太を破って初防衛に成功した。

 8月14日に米国でランス・アーチャーから日本人で初めて同王座を奪取した棚橋が、ビデオメッセージで誤嚥性肺炎のため7月10日から欠場を続けていた飯伏を挑戦者に指名して実現した一戦。約2カ月ぶりの復帰戦がいきなりタイトルマッチとなった飯伏はリングに立つと感激の涙を流した。

 回復具合が心配された飯伏だったが、その場飛びムーンサルトプレス、コーナー最上段から場外への三角飛びケブラーダなど、ブランクを感じさせないアクロバティックな攻撃を披露。さらには激しいエルボーの打ち合いを制して、バックマウント状態からエルボーの雨を降らせるなど厳しい攻撃も交えて追い込んだ。

 だが、棚橋はカミゴェをツイストアンドシャウトで切り返すなど老かいさを見せて反撃。さらにハイフライフローを繰り出して一気に勝負を決めに行ったがヒザで迎撃され、さらにはカミゴェ、ボマイェなどで逆襲される。そして、飯伏は再びカミゴェを繰り出したが、棚橋はスリングブレードで切り返し、ドラゴンスープレックスからのハイフライフロー2連発で3カウントを奪った。

 試合後、2人は倒れ込みながらも言葉を交わし、ともに涙。棚橋はマイクを持つと、「みなさんが言えない代わりにボクが言いますね。飯伏、お帰り」と復帰をねぎらい、「飯伏、まだまだ夢の続きがあるだろ。しっかりコンディションを整えて、上がって来いよ」と呼びかけると、飯伏は花道で正座で礼をしながら、「また、もう一回試合をお願いします」と返答した。

 続けて、棚橋は「7年ぶりに新日本プロレスが帰ってきたぜ」と絶叫。「7年前はオレ、メインイベントじゃなかったんだよね。と言うことは、7年後にメインイベントしてるオレ、スゲー」と自画自賛し、ファンに拍手を求めた。最後はおなじみエアギターのパフォーマンスを長時間披露。「会場のみなさん、愛してまーす」と決めゼリフで締めた。

 インタビューでの棚橋は「タイトルマッチだったけど、ファンのみんなは飯伏がどういう状態で帰って来るか気になってたと思うし、オレも情報が余り入ってこなかったから予想できなかったけど、三味線カマしやがったな。全然変わってねえじゃん。だから、素直におめでとう」と飯伏の回復に驚嘆するとともに歓迎した。

 そして長年新日本を支え続けた44歳のエースは「新日本プロレスで『お帰り』って言う係、もうちょっとオレやりますよ」と宣言。コロナ禍の緊急事態宣言下で行われた今大会は観衆2095人とさみしい入りだったこともあってか、「ファンのみなさんが安心して戻って来たときに、安心して『お帰り』と言いたいから。だから、まだ先になるよね。先になるけど、みんなね、それぞれの生活、それぞれの目標に向かって頑張って行きましょうよ。ちょっとしたきっかけでいいんで、棚橋何してっかなとか、私そういえばプロレス好きだったなとか、思い出してもらって。そこには棚橋がいますから。しつこいぐらい、うっとうしいぐらい見守ってますから」と涙を浮かべながら熱弁。最後は勝利の美酒をノドに流し込んで笑みを浮かべた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス