「ボクシング・ＷＢＯ世界スーパーフライ級タイトルマッチ」（９月１日、大田区総合体育館）

　前日計量（上限５２・１キロ）が３１日、行われ、３度目の防衛戦となる王者の井岡一翔（３２）＝志成＝は５２・１キロ、挑戦者で同級２位のフランシスコ・ロドリゲス（２８）＝メキシコ＝は５１・７キロでともに１回目でパスした。

　計量後はロドリゲスに求められて握手を交わした井岡。対面した印象を「いい選手だな」と表現した。「コンディションも問題ない。あとは試合に向けて時間を使っていくだけ」と調整に手応え。１カ月ほど前から調整に水素吸入器を導入しており、「コンディションを作る上で助かっています。活性酸素を除去するので疲労感も取れますし、自律神経も整うので気持ち的にも穏やか、安心でいられます」と効果を実感している。

　今回は日本国内の世界戦では初の無観客で開催。「明日は関係者とボクと対戦相手だけがいる状態。多くの人はテレビで見てもらえると思うんですけど、できるっていうことがありがたいこと」と受け止め、「感謝して戦う気持ちと、やる以上は必ず意味をなさないといけないので、見てもらっているみなさんに何か伝わる試合をしたい」と強調した。

　東京五輪では日本がボクシングで史上最多の金メダル１、銅メダル２を獲得する好成績を残したことに、「アマチュア選手が活躍することでボクシングが盛り上がるので、うれしい気持ちと、プロの世界チャンピオンとしてもより盛り上げないといけない」と感じ、「ボクも頑張らないといけない気持ちになった。刺激をもらったので、次はボクが返す番」と意気込んだ。

　一方のロドリゲスも「コンディションはとてもいい。それを明日見せたい」と調整に手応え。公開練習時には井岡について特に印象はないと話していたが、この日に対面した後も「それは変わらない」と評した。

　過去日本人３人と対戦して全勝しており、「日本の選手にはとてもいい印象を持っている。井岡はとてもいい準備をしていると思うが、私はそれを上回る準備をしてきた」と自信を示す。「メキシコのボクサーは心で戦う。私たちは戦士。目標を持って戦っている。タイトルを獲るために３か月以上準備をしてきた」と闘志を燃やした。