スターダム 世志琥、岩谷と6年ぶり1期生対決で敗北も「本当にやめなくてよかった」

 「プロレス・スターダム」(3日、日本武道館)

 スターダムが旗揚げ10周年にして初、女子プロレスでは24年ぶり11回目の日本武道館大会を開催。岩谷麻優が世志琥(SEAdLINNNG)とのスターダム1期生対決を制した。

 スターダムでの世志琥は団体最高峰のワールド・オブ・スターダム王座を獲得するなど、「ポンコツ」という岩谷を出世争いで大きくリードしていた。だが、15年に試合での過剰攻撃で無期限出場停止の処分を受けて引退の形で団体を去り、同じくスターダムを離れた先輩の高橋奈七永が旗揚げしたSEAdLINNNGで復帰した。岩谷はその後のスターダムで台頭。今では“スターダムのアイコン”と呼ばれるまでになった。

 20年12月に世志琥と高橋がスターダムの大会に乗り込んで宣戦布告したことで実現した一戦。世志琥はラフ&パワー殺法で圧倒するが、岩谷も豪快なトペ、ミサイルキックなどで反撃する。終盤には岩谷が投げっぱなし原爆、飛龍原爆固めなどをたたみかけ、必殺のムーンサルトレスを繰り出すが、世志琥は足を立てて迎撃した。

 そこから世志琥は頭突き、ラリアット、投げっぱなし原爆、アティチュードアジャストメント、ダイビングセントーンの猛攻で追い込むが、岩谷は驚異の粘りで3カウントを許さず。さらに岩谷は、世志琥が放った追撃のカミゴェを交わして丸め込み、バズソーキック連発で逆襲。最後は2段式飛龍原爆固めからムーンサルトプレスを成功させて3カウントを奪った。

 マイクを持った岩谷は「6年ぶりに試合をしてくれてありがとう。6年前と何も変わってないって言おうと思ったけど、めちゃくちゃ、やっぱり強かった」と世志琥を称賛。「私は10年スターダムでやってきた。世志琥ちゃんもSEAdLINNNGのリングをずっと引っ張ってきた。今までは別々の道だったかもしれないけど、これからは違う、一緒の未来っていうのを、私は味わってみたいなと思いました」と呼びかけた。

 一方の世志琥は「ガンちゃん(岩谷)、オメエ、強くなってんじゃねえかよ。マジで悔しいけど、お前がアイコンって呼ばれる理由が今日、武道館でシングルをやって分かった気がしました。でも、ウチの同期はスターダムにはお前しかいないんだよ。だから、ウチがこれからもお前との未来をずっとつなげていきたい。今日は負けたけど、このままで終わると思うなよ」と呼応した。

 花道を引き揚げた岩谷は倒れ込むと、「勝った。勝った。10年間やってきたことがムダじゃなかった。やめなくてよかった」と声を振り絞った。世志琥はインタビューで「正直、本当に負けて悔しいけど、勝ち負けじゃない部分が自分の中にはあって、それが結構デカくて、岩谷がマイクで言ってくれて、自分も試合をして思ったし、本当にやめなくてよかったなって改めて思った。自分には最高の同期がいるんだなって、思い知らされました」としみじみコメント。「ここで終わらせたくないし、ここからつながるものを作っていけば、もっともっと明るい女子プロレスの未来を見せられると思う」と、岩谷とのライバル関係継続に意欲を示した。

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