白井・具志堅ジムが7月末で閉館 64歳・具志堅会長「ここが潮時」
ボクシング世界王座の国内最多記録となる13回連続防衛を誇る元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏(64)=デイリースポーツ評論家=が会長を務める白井・具志堅スポーツジムは6日、ジム公式サイトで7月31日をもって閉館することを発表した。
具志堅会長名義での文書を掲載し「私、具志堅用高は、気力・体力ともにこれまでのように情熱を持って選手の指導にあたるには難しい年齢になったこともあり、ここが潮時と決断致しました」と閉館理由を説明した。そして「所属選手につきましては、最後まで責任をもって移籍先を見つけます。移籍選手へのご声援を今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます」とした。
具志堅会長は最後に「今後は私にできることがありましたら、別の形でボクシング界に携わらせて頂ければと思っております。皆様からお寄せ頂きましたご厚誼に心から感謝致します。本当にありがとうございました」と結んだ。
同ジムは1995年に日本初の世界王者である元世界フライ級王者の白井義男氏を名誉会長に、具志堅氏を会長として東京・代々木に開設。02年に現在の杉並区永福に移転している。
設立5年目の99年には具志堅会長と同じ興南高校の出身の名護明彦がジム初の世界挑戦を行うが、WBA世界スーパーフライ級王者の戸高秀樹(緑)に判定負け。名護は2度目の世界挑戦にも失敗し、その後も嘉陽宗嗣らが世界に挑んだが、勝利できなかった。
しかし12年7月に山口直子がWBA女子世界スーパーフライ級王座を奪取。女子ながらジム初の世界王座を獲得すると、13年8月には敵地バンコクで江藤光喜がJBC(日本ボクシングコミッション)非公認ながらWBA世界フライ級暫定王座を奪った。
そして17年5月には比嘉大吾がフアン・エルナンデス(メキシコ)に6回TKO勝ちし、WBC世界フライ級王座を獲得。正真正銘の男子世界王者が誕生した。具志堅会長と同じ沖縄出身の比嘉による師弟世界王者誕生で、さらなる活躍が期待されたが、短いスパンで防衛戦をこなしていた比嘉は18年4月の3度目の防衛戦で減量に失敗。日本の世界王者としては初の体重超過による計量失格で王座をはく奪された。試合でもクリストファー・ロサレス(ニカラグア)に9回TKOで敗れて初黒星。JBCからは計量失格によるライセンスの無期限停止処分を受けた。処分解除後の今年2月に再起したが、同ジムとの契約を更新せず、現役続行は表明しながらも、3月11日付で同ジムを離れている。