「ボクシング・ＷＢＯ世界ライトヘビー級タイトルマッチ」（２日、ラスベガス）

　今年のボクシング屈指のビッグカードが米国ラスベガスのＭＧＭグランド・ガーデン・アリーナで開催され、世界３階級制覇のサウル“カネロ”アルバレス（２９）＝メキシコ＝が王者セルゲイ・コバレフ（３６）＝ロシア＝を衝撃の１１回ＫＯで破り、４階級制覇を達成した。

　昨年１２月にＷＢＡ世界スーパーミドル級王者のロッキー・フィールディング（米国）に３回ＴＫＯで圧勝して３階級制覇したアルバレスだが、現在の主戦場はミドル級。ミドル級でＷＢＣフランチャイズ王座とＷＢＡスーパー王座、スーパーミドル級でＷＢＡ王座を保持。２階級、３本のベルトを持つ。そして次なる標的にしたのが、ミドル級からは“２階級差”があるライトヘビー級のコバレフだった。

　体格での不利もささやかれたが、ブックメーカーのオッズなど前評判ではカネロ有利と出た。加えてコバレフが前日の公式計量で４度目でようやくパスするなど調整への不安を見せた。

　身長で７センチ、リーチで５センチ上回るコバレフはジャブを基本に距離をキープしようとし、カネロがガードを固めながらプレッシャーをかける展開が続く。大きなアクションのないまま迎えた１１回、カネロが左フックを振り抜くとコバレフがよろめく。がら空きとなった顔面に右ストレートをたたき込むと巨木が倒れるようにコバレフがダウンした。右腕と顔面をロープに支えられ、失神したような様子に、ラッセル・モラ主審は即、試合をストップした。

　スーパーウエルター級から数えて４階級制覇となるカネロの戦績は５６戦５３勝（３６ＫＯ）１敗２分け。同時３階級制覇の偉業も達成した。敗れたコバレフは３９戦３４勝（２９ＫＯ）４敗１分け。米ＣＢＳなどによるとカネロのファイトマネーは３５００万ドル（約３７億８０００万円）。コバレフはオフィシャルでは３００万ドル（約３億２０００万円）だが、この数倍の保証があると伝えている。