メイウェザーは強すぎた 1回TKO…ニヤつきながら那須川を子供扱い

 「RIZIN.14」(31日、さいたまスーパーアリーナ)

 世紀の一戦は衝撃的な結末に終わった。ボクシングの元世界5階級制覇王者、フロイド・メイウェザー(41)=米国=が、RISE世界フェザー級王者の那須川天心(20)=TARGET=と3分3回のボクシングルールで対戦し、3度のダウンを奪う一方的な内容で1回2分19秒でTKO勝ちした。エキシビションマッチで記録に残らないものの、那須川はプロ34戦目にして初黒星を喫した。

 1試合で100億円を稼ぐ男、メイウェザーが圧倒的な力の差を見せつけた。競技も違えば階級も違う異例の戦い。圧倒的に不利なルールながら「拳で世界を変える」と、果敢に挑んできた那須川をいとも簡単に吹っ飛ばした。

 リング上で表情を崩さなかった那須川に対し、メイウェザーは余裕の笑みを絶やさず。ゴングが2鳴っても、メイウェザーは挑発するかのように手の力を抜いてパンチを繰り出す余裕を見せた。

 だが、那須川の左ストレートが顔面をかすめると本気モードに突入。左フックで吹っ飛ばすようにダウンを奪うと、立て続けに右フックでダウンを奪う。さらに攻撃を緩めず、ワンツーをたたき込んで3度目のダウンを奪うと、那須川は立ち上がることができなかった。初めての敗北を味わった那須川はリング上で号泣した。

 一時は試合のキャンセルを宣言するなど、メイウェザーは最後までわがまま放題だった。試合2日前の29日夜に来日して関係者をやきもきさせ、公開形式の前日計量では、事前の計量でクリアしたという理由で体重計に乗らなかった。この日の大会冒頭の選手入場式は1人だけ欠席し、会場入りしたのは午後9時半頃だった。

 ルールが正式に決まったのはこの日の朝。当初は双方8オンスのグローブ使用と公表されていた。だが、圧倒的に体格で不利な那須川陣営は危険性を訴え、最終的にメイウェザーは10オンス、那須川は8オンスのグローブハンディをつけることで合意。しかし、それをものともしないほど、パワーの差は歴然だった。

 貫禄の勝利を収めたメイウェザーはリング上で「今日の試合はエンターテインメント、楽しんでもらう試合を意識した。実現できてうれしく思う」と満足顔。そして、「那須川天心選手に感謝したい。公式戦ではないので記録には影響しない。天心選手も無敗の王。これは今後も続く」と神童をたたえた。年の瀬の日本を騒がせ続けたが、本物の実力は認めざるを得ないものだった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス