王者・井上尚弥「最高です」平仲超え最速KO!日本新連発!世界に魅せた最強の右

 「ボクシング・WBSS1回戦、WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(7日、横浜アリーナ)

 衝撃の“一撃殺”だ。WBA世界バンタム級王者、井上尚弥(25)=大橋=が元同級スーパー王者フアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を1回1分10秒KOで下し、初防衛に成功。ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)同級1回戦を突破した。日本人最長の世界戦7連続KO勝利、同最多の11度目のKO勝利を、同最速勝利で達成。トリプル日本記録を打ち立てたモンスターが、名実ともに日本歴代最強に君臨した。

 たった一撃で世界に衝撃を与えた。井上尚弥が平仲明信の1分32秒を超える日本人世界戦最速1分10秒で“世界最強”への第一関門を突破。具志堅用高の世界戦6連続KO勝利と内山高志の世界戦10KO勝利の日本記録もあわせて更新した。

 120カ国で放送される世界注目の大会にふさわしい演出の中、五輪2度出場、プロでもスーパー王者となった百戦錬磨のパヤノと対峙(たいじ)。約4年ぶりのサウスポーを全く問題にしなかった。

 距離の探り合いから迎えた1分過ぎ。尚弥はパヤノの右ジャブに内側から左ジャブを入れ、すかさず右を放った。「ジャブで死角を作っての右ストレート。練習していた」という一撃はカウンター気味に顔面を直撃。大の字になったパヤノは立ち上がれなかった。

 衝撃的な結末にどよめく1万人の観衆に向かい、尚弥はリング上で「最高ですね」と会心の笑み。5日に1歳の誕生日を迎えた長男を初めてリングに上げて、「明波(あきは)です」と紹介した。非公表だった長男の名前を入れたトランクスを着用し、「WBSSにかける思い。ケツをひっぱたいてもらう意味で名前を入れました」。父の決意を示した。

 衝撃の一発には大会プロモーター、カレ・ザワーランド氏も興奮。アンソニー・ジョシュア(英国)、デオンタイ・ワイルダー(米国)らヘビー級王者の名を挙げ、「彼らと比べても、井上は最強のパンチャーだ」と絶賛した。

 転級2戦合計が182秒。成長を続ける息子に、父の真吾トレーナーも「言うことが少なくなってきている。気を引き締めろとか、そういう言葉しかない」と苦笑するほどだ。

 英国大手ブックメーカーのオッズは優勝に1・6倍をつけるほど、圧倒的な優勝候補の尚弥。準決勝は20日に行われるIBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)と同級3位ジェイソン・モロニー(豪州)の勝者と対戦する。「井上危ないと思われている、ロドリゲスとやりたい」。名刺代わりの強烈な一撃を世界に見せつけたモンスターが、世界の頂へ突き進む。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス