久我勇作が新日本王者、石本に速攻!2回TKO

日本スーパーバンタム級新王者となった久我勇作
2枚

 「日本スーパーバンタム級タイトルマッチ」(4日、後楽園ホール)

 同級1位の久我勇作(ワタナベ)が王者・石本康隆(帝拳)を2回2分49秒TKOで下し、悲願のタイトルを獲得した。

 2回、石本の反撃にもひるまず、左ボディーを軸に上下へ攻め続けた。終了間際、石本を防戦一方に追い込んだところで、相手陣営からタオルが投入された。青コーナーは陣営、ファンが両手を突き上げて歓声を上げた。

 ゴングと同時に飛び出し右を浴びせた。作戦通りの速攻だった。「見ながら行こうかとも思っていたんですが、石本選手が構えてなかったので。前回、前半のチャンスに決めきれなかったので、早めに行けたらと思っていた」という作戦が成功した。

 開始10秒でペースをつかむと左ボディーを打ち込み、さらにガードの上からお構いなしに右を打っていった。石本にプレスをかけながら、上下への執ような攻撃を繰り返した。そして1分過ぎ、右フックがテンプルをかすめてダウンを奪った。「引っかかった感じで効いてはなかったと思う」と言うものの、この時点で試合を支配した。

 15年12月に石本に挑戦した久我は、王者のテクニックにほんろうされ、持ち味を出せないまま僅差の判定(0-3)負けを喫した。その時から「打倒石本」がボクシングのモチベーションだった。「1年間我慢してきた。早くやりたくて仕方がなかった」と、この一戦を待ち望んでいた。

 渡辺会長は「高校生の時、練習生で入って来た。ボクサー向きのいい体をしているな、と思っていた。期待はしていたけど、スタミナがなかった。やっぱり力があるな」と目を細めた。

 今崎常秀トレーナーとは、技術だけでなくスタミナ強化にも務めてきた。「1月7日から和歌山の南紀白浜に走り込み合宿に行ったり、ミット打ちもラウンド数を多くしたり、重いグローブで打たせたりしてきました」(今崎トレーナー)という地道な鍛錬が実を結んだ。久我は「去年の11月に石本選手との試合が決まって、ここ2カ月で本当に成長できたと思う」と手応えを実感する。

 試合後のリング上で石本から「おめでとう」と声を掛けられた。「本当にさわやかに言ってくれました。僕も『石本さんのおかげで強くなれました』と言ったんです」と明かした。多士済々のスーパーバンタム級に新たなスターが生まれた。

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