大仁田、地獄から生還した青柳館長との一騎打ち熱望

 「プロレス・ファイヤー」(3日、神奈川・ラジアントホール)

 大仁田厚が、かつてのライバルで空手・誠心会館館長の青柳政司との一騎打ちを熱望した。青柳は昨年5月、バイク事故で右足のヒザから下の34カ所を粉砕骨折。金属プレートを埋め込む手術を受け、医師から「もう蹴ることはできない」と非情な宣告をされ、同年10月4日、ノアの名古屋大会で引退セレモニーを行った。

 その後、青柳はさらなる悲劇に見舞われた。金属プレートが合わず、同月に右足が化膿し、同年11月に再手術。入院生活は実に4カ月にも及び、一時は自力歩行もままならなくなる可能性もあった。しかし、不屈の闘志で治療と向き合った青柳の右足は奇跡的な回復を見せ、今年2月に退院。現在では痺れこそ残っているものの、杖なしで歩くことができるようになった。

 体調が回復するに伴い、青柳は“ある男”への熱い思いが沸き上がってきた。“ある男”とは、大仁田のこと。昨年12月、入院中に大仁田の見舞いを受けた青柳は「引退セレモニーはしたけど、もう1度、大仁田を蹴りたい」との思いを吐露。その思いを胸に、つらいリハビリに耐えてきたのだ。

 自力歩行ができるようになり、まさに地獄から生還し、プロレス界への復帰を決めた青柳は、9月に新軍団「魔世軍」を結成。自ら総裁ミスターXとして、手始めにファイヤープロレスをターゲットにして、ケンカを吹っかけた。

 ファイヤーの9月19日・名古屋大会で勃発した邪道軍と魔世軍の抗争は、10月29日・弘前大会、10月30日・青森大会を経て、この日、ラジアントホール大会で第4ラウンドを迎えた。大仁田は保坂秀樹、HASEGAWAを従え、魔世軍は2号、4号、5号の布陣で、スクランブルバンクハウス有刺鉄線ボード6人タッグマッチで激突。

 魔世軍はセコンドに就いた1号、怨霊が介入し、完全に3対5のハンディキャップマッチの構図となった。それでも、大仁田は4号にマトを絞り、秘技バックドロップホールドで3カウントを奪い、魔世軍相手に4連勝を飾った。

 納得いかないミスターX(青柳)は、試合後、脱兎のごとく乱入。軍団メンバーとともに大仁田をボコボコにして、勇躍引き揚げた。

 控え室に戻ったミスターXは「魔世軍の目標は大仁田のクビを獲ること。大仁田のクビを獲るために、どんどん強いヤツを魔世軍に入れて、追い詰めていく。今日は負けたけど、魔世軍は負けても、ただではすまさない。大仁田を痛い目に遭わせるから」と言い放った。

 一方、大仁田は「青柳館長が戻ってきたのはうれしいけど、早く足を治せ。ノアで引退式をやったかもしれないけど、オレの選手生命もあと1年。名古屋に乗り込んでやるから、いつか一騎打ちをやろう!そのときは堂々とオマエの蹴りを受けてやるから」と激白した。

 さかのぼること、今から27年前。89年7月に、大仁田と青柳は、「格闘技の祭典」で初めて一騎打ち。そこで遺恨ができた両者は、同年10月6日の名古屋、10月10日の後楽園でのFMW旗揚げ2連戦で相まみえた間柄。青柳の存在は、FMWの原点であるだけに、大仁田の青柳に対する思い入れは深い。それは、青柳とて同様で、大仁田との一連の闘いがあったからこそ、その後、プロレス界にその名を刻めたのだ。

 巡り巡って、再び対峙することになった大仁田と青柳。大仁田に残された選手生命は限られているだけに、青柳の右足の回復が待たれるところだ。

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