名城が近大コーチ就任 五輪選手育てる

 元WBA世界スーパーフライ級王者・名城信男(32)=六島=が3日、東大阪市の近大で会見し、現役引退と母校・近大ボクシング部のヘッドコーチに1日付で就任したと発表した。第2の人生は2020年東京五輪での金メダリスト育成が目標。同じく元プロボクサーでOBのタレント、赤井英和総監督(54)とともに名門復活を担う。

 世界王座を2度奪取した名城が、第2の夢に選んだのはアマの道だった。「リオ五輪に出場、東京五輪でメダリストを目指す」。32歳は母校で行われた会見で力を込めた。

 昨年9月、タイで王座に挑戦したが判定で敗れた。「3度目の返り咲きで(六島ジム)枝川会長に恩返ししたかった」と、再起への思いもあった。

 だが「進退を悩んだ時、赤井総監督から『ボクシング部を指導してみないか?』と声をかけられ、素晴らしい仕事と思った」と、現役引退を決断した。

 名城は近大を中退後、プロに転向している。今後は近大の通信教育学部に籍を置き、学生にもなる。「何としても卒業したい」と、勉学と二足のわらじを履く。

 元世界王者のアマ指導者への転身は極めて異例だ。プロとアマは、近年までほぼ断絶状態にあった。10年以降、日本ボクシング連盟の山根明会長がプロとの共闘へ転換し、雪解け。11年8月、赤井氏がプロ経験者の指導資格適用第1号となった。名城のヘッドコーチ就任はプロ・アマ交流の意味でも大きい。

 近大ボクシング部は、大学日本一に11度輝いた名門ながら、09年に部員2人が路上強盗容疑で逮捕され、廃部となった。12年に赤井総監督が就任し、復部したものの、現在は関西で3部リーグ所属。今春、高校で全国レベルの実績がある新入部員5人が加入するなど、大学側も部の強化へ全面支援の態勢だ。

 「今後はアマ1本でボクシングに恩返ししたい。大学王座を取れるよう全員で戦う。五輪に出場する強い選手を育てたい」。名門再建、金メダリスト育成の使命を名城コーチが請け負った。

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