夢には、いくつものかなえ方がある。選手として届かなかった「世界で戦う」という夢を、柳井里奈はいま、監督として追いかけている。大宮を率いて3年目。クラシエ・カップでは準優勝までチームを押し上げた。37歳、日本ではまだ数少ない女性監督だ。現役時代の挫折があったからこそ、選手には「逃げずに追い求める」ことを求める。自分が一度手放した夢だから、次の世代には手放してほしくない。そんな思いを胸に、柳井は今日もベンチから声を張る。

選手で挫折「この人たちにはかなわない」

 選手として破れた「世界で戦う」夢を追い、まだ日本では数少ない女性監督が奮闘している。サッカー女子WEリーグ大宮の柳井里奈監督(37)は、設立6年目のチームをクラシエ・カップ準優勝にまで導いた。就任3年で好結果を出し「世界で戦える、格好いい、目指したいと思われる女性指導者になりたい」と目を輝かせる。

 兵庫県出身。兄の影響で小学2年からサッカーを始めた。中学生になると、関西女子リーグに加盟したINACレオネッサ(現INAC神戸)に入団。05年にはDFで日本女子リーグ2部優勝と1部昇格に貢献し、2008年には女子U-20(20歳以下)ワールドカップに熊谷紗希(ロンドン・シティー)らと出場した。だが10年シーズン終了後、澤穂希ら代表選手の加入に伴い契約が更新されず「この人たちにはかなわない。もうやりたくない」と心が折れた。

 サッカー女子WEリーグ大宮の柳井里奈監督
 サッカー女子WEリーグ大宮の柳井里奈監督