【回答者・篠原かをり】他人のペットに愛情がないのは当然です

 【聞きたい】ペットブームのせいか、友人によくペット自慢されるのですが、犬やネコを見ても何の感情もわきません。ほかの動物に対しても同じ感じです。そんなことを言えば、何と思われるのかが怖くて、誰にも言えず…。私はヘンなのでしょうか。(40歳・男性)

 【答えます】生き物が大好きな私も実は、他人のペットにあまり関心がありません。勿論、動物は好きなので目の前にいれば、可愛いのですが、スマホで写真を見せられても、犬だなあとか猫だなあとしか思いません。最低でもミーアキャットくらいのレアリティがないとつまらない反応を返してしまうこと間違いなしです。

 自分でも昆虫からネズミ、犬に至るまで多くの生き物を飼育していますが、その愛情にも濃淡があります。幼い頃から共に育った犬は姉妹と同様だし、ネズミは可愛いペットだけれど、昆虫はオブジェとか観葉植物に近い感覚で飼育しています。私の基準は、私の人生にどれだけその個体が関与してくるかです。過ごした時間の長さやコミュニケーションの量に比例して愛情が湧いてきます。

 だから、関わりのない他人のペットなんて興味がなくて当然なのです。

 興味のない愛車自慢をされてなんとも思えない人はたくさんいるはずなのに、愛玩動物が対象になると非情な気がしてしまいますが、全くおかしなことではないのです。

 ペットに限らず、動物に一切の興味がないのもおかしくありません。きっと世界のどこかには、ハマグリに並々ならぬ愛情を注いでいる研究者や何十年もアロエの世話を続けているおばあちゃんがいるでしょう。でも、私はハマグリやアロエを見て、愛おしいと思うことができません。

 動物の世界でも、ゴリラが猫を飼ったり、猫がリスの子を育てたりと稀に別種の動物を愛でる行動は見られます。しかし、殆どの種においては、別種の動物は敵か餌かどうでもいいものです。

 人の興味はそれぞれだからこそ、多様な価値が生まれます。動物に関心がないというのも、一つの興味の傾向なので恥じる必要はないのです。

 ◆篠原かをり 神奈川県出身、23歳。慶応大学環境情報学部で生物学を学ぶ。自宅でゴキブリ300匹、サソリ、タランチュラなどを飼育する生き物オタク。17年11月にビジネス書「サバイブ」(ダイヤモンド社)の原作を担当。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

お悩み相談・人生相談最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス