最近、一人参加型のツアーパックが流行っているという。これまでなら夫婦や友人などで参加していたツアーでも、気兼ねすることなく一人で参加でき人気になっているという。ハイヒールリンゴもこれまでいわゆる“一人飯”も気兼ねなくできるようになった背景を分析し、「一人＝孤独」の時代は終わったと語った。

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　お一人様の旅が流行っているとか。私も絶対、参加しようと思っています。

　というのも、夏休みに夫婦２人でハワイへ行ったんですが、もうイヤだ！と思うことがいくつもありました。ハワイまで行ったのに、ですよ！まずスーツケースのパッケージは、全部私の仕事になってしまいました。旦那は着いたその日にハワイの友達とすぐさまゴルフへ。旦那さんがゴルフをしている間、私はスーツケースを開けて、ホテルの部屋で過ごしやすいように服をクローゼットに片付けたり、吊ったり、洗面道具を出し揃えたり。それをエエ事に、旦那さんは４泊６日の旅行中、４回もゴルフへ行ったのです。

　だから私はその間別行動だったけど、実はそれが至福の時でした。夫がラウンドしている友人とは家族ぐるみのお付き合い。夫同士はゴルフで、私は奥さんと昼前に集合して、買い物してお茶して、時には観光してダラダラと。夜のご飯だけ時間を決めて集合。それが自由で本当に楽しかった。

　私も肩を痛めるまでは、ゴルフのお伴をしていました。でも男性は起きて５分で出発できるけど、女性は支度がありますから小一時間はかかる。急いで用意しているつもりですが、自宅だろうと旅行先だろうと「あとどれくらいで出れる？」と聞いてくるから又、腹が立つ。口には出さないけど「俺はもうすでに用意ができていて、君を待ってるんだけど」みたいな空気を醸し出すんです。それが嫌で嫌で。もっと自由に旅を楽しみたいと思ってました。

　旅って誰かと行かなきゃいけないわけじゃあない。現地の人と知り合える面白さもあるし。いまはスマホがあるから、一人で食事をしてても全然大丈夫。昔、東京の焼き肉屋さんで、石田純一さんが建築の本を読みながら一人焼き肉しているのを見かけたんですが、すごく素敵でした。新喜劇の小籔千豊座長も、ちょっと高級なイタリアンにも一人で行く時があるとか。大勢で行くとワインも飲んでワイワイやるから３時間くらいはかかる。だけど一人なら「急いで出してください」と言えば１時間強で食べ終える。スマホを見ながらの食事なら、一人でもおかしな人とも思われないですから。

　一人ご飯もいまは普通じゃないかな。この間、立ち食いのおでん屋さんに女性が一人で入ってきて、２、３品頼んでパソコン開いてパパッと作業をして、生ビールをグイっと飲んで帰っていくのを見て、格好いい！と思いましたね。そういう時代なんだと。

　男性の牙城である吉野家でも女性一人客をみかけるようになりました。一人の食事も周りの視線が弱くなったことで全然苦痛じゃない。二人旅の煩わしさか、一人旅の孤独か。いえ、もう「一人＝孤独」の時代は終わったと私は思います。