【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】庶民が気軽に海外旅行を楽しめる時代を取り戻すには なぜ日本人はこんなに貧乏に
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 現在の円安をどのように思われますか?ご存知のように1ドル150円近辺、1ユーロ171円ほどです。2020年1月は1ドル109円、1ユーロ120円ほどです。現在のような円安だと海外旅行できないし、輸入ものも高いです。国としての勢いが衰えるとは自国通貨が安くなって海外旅行できないことなのかと思っています。いろんな国の人が日本に来て「日本、安い」と買い物をしている様は悲しくもあります。なぜ日本人はこんなに貧乏になったのでしょう。参院選が終わったばかりの今だから言います。西村さん、いずれ政権の中枢に入って通貨安を立て直してください!庶民が海外旅行を楽しめる時代をもう一度!
【回答】 ご質問ありがとうございます。円安の話題は、今まさに多くの方が実感を伴って関心を寄せているテーマだと思います。特にここ数年の為替変動は急激で、1ドル150円近辺、1ユーロ170円超という水準は、確かに2020年初頭と比べても大きな変化です。この影響で海外旅行が割高になり、輸入品や原材料の価格も高騰しているのは、多くの生活者にとって負担となっています。
私が感じるのは、円安そのものが悪いわけではない、ということです。為替は国際的な需給関係や金利差、経済構造の変化など様々な要因で動きます。円安は輸出産業にはプラスに働く面もありますし、インバウンド需要を呼び込み、日本の地域経済を潤す側面もあります。一方で、輸入依存の高いエネルギーや食料品、原材料の価格は上昇し、家計や中小企業に直接的な影響を与えます。問題は、このプラスとマイナスのバランスをどう取るかという点にあります。
「なぜ日本人は貧乏になったのか」という問いに対しては、単純な為替水準だけで説明できるものではありません。長期的には、生産性の伸び悩み、少子高齢化による労働人口の減少、国内市場の縮小など構造的な要因が背景にあります。世界経済の成長スピードに比べ、日本経済の成長が鈍化してきたことが、相対的な通貨価値や購買力にも影響を及ぼしています。
庶民が再び気軽に海外旅行を楽しめる時代を取り戻すには、単に為替水準を変えることよりも、国内で安定的に稼げる環境を作ること、そして将来に希望が持てる経済基盤を再構築することが重要だと考えます。そのためには、国や企業が投資を惜しまず、新しい産業や技術に挑戦し続けることが不可欠です。
私個人としても、「通貨安を立て直す」というより、「円が安くても国民が豊かである」という状態を目指すべきだと考えています。為替の数字に一喜一憂するよりも、自分たちの力で価値を生み出せる社会を作ること。それが結果として、円の信頼や購買力を自然に押し上げる力になるはずです。
円安は確かに厳しい現実を突きつけますが、同時に、国として何を強みにし、どう稼いでいくのかを考え直す機会でもあります。私もビジネスを通じて、日本が再び活力ある国として世界から尊敬されるような未来を作るために、できることを一つずつ積み上げていきたいと思っています。
◆西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万5000人。





