“松坂キラー”元PL学園の主力、第2の人生は焼き肉店 元プロ野球選手の大西宏明さん

 “松坂世代”の一人で近鉄、オリックス、横浜、ソフトバンクで9年間プレーした大西宏明さん(38)は2012年春、大阪・心斎橋に焼き肉店「笑ぎゅう」をオープン。今年で6年目を迎える。売りは豊富な仕入れルートから厳選した高級肉。セ、パ4球団で培った豊富な人脈と「人生楽笑」をモットーに、飲食店が乱立する激戦区でさらなる店舗拡大を狙っている。

 牛をかたどった長イスが目印。店名「WARAGYU」には自身の願いを込めた。

 「“人生楽笑”が座右の銘。お客さんに楽しく食べていただき、笑って帰ってもらえたらと。初心を忘れず、ここまでやって来ました」

 大阪屈指の繁華街。1周年を迎えられる店が30%、3年目となると5%と言われるほどだ。そんな中で開店から6年が過ぎた。

 「大切なのはやっぱり味です。それと場所、値段、店の雰囲気。元プロ野球選手の店というのはプラスαです」

 店内は1階と地下1階に分かれ、計46席。オリックスからメジャーへ移籍した平野の送別会、巨人の決起集会などもここで開かれたという。

 人気メニューは特上を意味する爆笑ユッケ(2000円)、爆笑タン(1580円)など。肉と野菜のドーム蒸し(1300円)もある。最近好評なのは地鶏の卵黄3個に特製だしを加えた玉子かけごはん(580円)。DeNA・筒香喜智外野手がSNSにアップして火が付いたという。

 「トレードは嫌でしたが、今となっては良かったかも。セとパ、4球団を経験したことは財産になっていますね」

 通算554試合に出場し319安打の打率・254、27本塁打、131打点。勝負強い打撃と明るいキャラで数字以上のインパクトを残した。

 PL学園時代もそうだった。20年前の夏の甲子園。怪物・松坂擁する横浜と演じた延長17回の死闘がそれだ。その前にセンバツで初対戦。最初の印象は「試合前、外野で軽く遠投していたんですが、ボールの軌道が今まで見たことのないものだった」。その松坂とは春夏合わせ10打数5安打。だが、内容に納得していなかった。「プロに行って、松坂のストレートを打つ」。近大での4年間はその一心だった。

 「だからうれしかったですね。プロとして松坂と対戦した最初の打席で放ったセンター前。“あうんの呼吸”で松坂もストレート1本。真っ向勝負してくれた」

 店内にはレッドソックスのユニホームが飾られている。開店直前、当時ボストンにいた松坂から届けられたものだ。

 「松坂は僕らの憧れ、スーパースター。頑張ってもらわないと困る。修(村田)には1人暮らしをするというので肉3キロ送りましたよ。このまま終わってほしくない。立場は違いますが、僕も負けられません。もう1軒出しますよ。お客さんにもっと楽しんでいただけると思っているので」

 同世代の頑張りを刺激に。連日の賑わいを見ていると、その日も近そうだ。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)

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